なぜコンビニのクリスマスケーキは売れるようになったのか――知られざる裏事情新連載・ご一緒に“おでん”いかがですか(3/5 ページ)

» 2013年12月19日 08時00分 公開
[川乃もりや,Business Media 誠]

“眉唾”だったその言葉が

 そして翌年は、もっと大変なことになるのだ。クリスマスケーキが予想以上に売れて気を良くしたオーナーたちが、さらに頑張って売り上げを伸ばした。それまで鼻にもかけなかったオーナーたちも“金の匂い”を嗅ぎつけたとばかりに動き出したのだ。

 あるオーナーは「売り上げが、前年比120%増です!」などと喜んでいたが、ちょっと待ってほしい。考えてみたら“今まで何をしていたのか”という話でもある。また別の店舗では、冷蔵トラックを貸し切って保管……という事態になっていた。

 てんやわんやになっている中、本部のエラいさんはこう言った。「目標というのは『前年比120%増』といった数字ではなく、『500%増』といった非現実的な数値のほうが達成しやすい」と。さらに「現実的な数値というのは過去の延長でしかなく、行動に変化は生まれない。だが、非現実的な数値を提示されると、今までの動きでは対処できないのでブレークスルーが生まれやすい」とも。

 “眉唾”だったその言葉が、その後なんとなく理解できるようになったのだ。

非現実的な目標を掲げたところ、それが現実に!? (写真はイメージです)

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