筆者がまだコンビニ本部で勤めていたころ、営業会議で上司がこんなことを言った。「競合チェーンでは、クリスマスケーキを1店舗当たり100個も売っている! なぜウチのチェーンでは売れないのだ! やる気があるのかっ!?」と。
年末年始は、お歳暮、年賀状印刷、年末商材の獲得でものすごく忙しいので「クリスマスケーキかよ。あんなマズいケーキ誰が買うんだよ」……そんな感じでボヤいていたら、そのシーズンのケーキが予想以上においしく仕上がってきたのだ。
お店のオーナーに「競合チェーンでは100個も売っている」などと話したところ、オーナーからは「お前、バカなの?」といった反応。試食用のクリスマスケーキを食べてもらっても、「まあ……おいしくなったけど、100個も売れないよ」と冷ややかだった。
だが、中には素直なオーナーもいる。われわれの話をきちんと聞いて、「そうかあ。あの競合チェーンは100個も売っているのか。負けられないねえ」と予約獲得に動き始めた。そしてその店の予約が10個、20個と増えていくと、負けず嫌いなオーナーも動き始める。こうした動きが増えていけば、腰の重いオーナーも動き出す。
繰り返しになるが、その年のクリスマスケーキはおいしく仕上がっていたので、お客さんに薦めるのは難しくない。結果、「1店舗当たり100個販売」……とはいかなかったが、前年の数倍は売れた。
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