宮城、福島を訪れた人はいずこへ? 位置情報データが教えてくれたこと仕事をしたら“人の移動”が見えてきた(後編)(3/4 ページ)

» 2013年12月18日 07時37分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

「会津若松」が人気

土肥: では最後に、福島県での観光客の動きを教えていただけますか?

長谷部: 福島県は、東側に阿武隈高地が南北に連なり、西側に奥羽山脈があって、浜通り、中通り、会津の3つのエリアに分かれています。福島県庁としては、それぞれの地域に観光客を増やすことができないか、という課題を抱えていらっしゃいました。

 福島県で最も人気のある観光スポットといえば、NHK大河ドラマ『八重の桜』の舞台にもなった「会津若松」。地理的な特徴もあって、観光客が会津から沿岸部に行くのは難しい。では、人々はどのようなところを移動しているのか。

 位置情報を分析したところ、会津若松エリア内では周遊されているんですよね。周遊パターンをみると、「会津若松エリア内」が最も多く、次いで「会津若松と郡山」が多い。残念ながらこの2つのパターン以外、あまり周遊されていないんですよ。

 福島県には「白河小峰城」「鶴ヶ城」といった城があるので、県側は城巡りの人を増やしたいようなのですが、まだまだ少ない。ただ周遊パターンとしては期待できるので、今後は力を入れていくのではないでしょうか。

福島県で最も人気のある観光スポットは「会津若松」

土肥: 沿岸部はいかがでしょうか?

長谷部: 沿岸部をみると、ほとんどの人が「いわき」で宿泊されています。いわきに滞在して、そのまま帰るパターンが多いですね。福島県を訪れる観光客は会津若松が最も多く、いわきが2番目に多い。しかし、いわきを訪れる人は動かない。閉じてしまっているエリアをどうやって開けていくかが、今後の課題になってくるのでしょうね。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.