宇都宮線・高崎線方面と常磐線については、上野駅の折り返し列車が残る。また、東京駅で折り返す列車もある。東海道線は、普通列車がすべて直通したとしても、通勤ライナーや特急などは東京駅で折り返す。となると、東京駅の容量が問題になる。半世紀前は東海道線のホームはもっと多かった。しかし半分が東北新幹線に置き換わってしまった。いまや東海道本線はホーム2面、線路4本である。直通列車と折り返し列車をさばくには煩雑だ。
ここで重要な役割を持つ第3の駅が登場する。品川駅である。東海道本線だけで使える線路が8本、ホームは4つもある。そのため、いままで余剰のホームを使って臨時列車や団体列車を発着させていた。それでもまだゆとりがある。そこで、宇都宮線・高崎線方面と常磐線の列車は、東京駅ではなく品川駅で折り返す施策が考えられる。
同様の施策は、東急東横線が東京メトロ副都心線と直通する時も行われた。東横線と副都心線、西武線、東武線の需要の差があり、渋谷駅を境に東横線側のほうが本数が多くなる。線路4本の渋谷地下駅ではさばき切れない。その解決策として、新宿三丁目駅に列車を引き上げる線路を作った。東横線の列車は渋谷駅で折り返さず、新宿三丁目駅まで走らせて折り返す。これで渋谷駅の混雑と列車運行の煩雑さを解消した。
品川駅は2013年11月28日の終日と、翌29日に大規模な線路切替工事を実施した。28日は東海道本線の東京―横浜間で全列車を運休とし、29日の午前中は横須賀線も運休させた。この工事は品川駅折り返しと、田町の車両基地縮小の準備であった。「上野東京ライン」の実現によって、田町の車両基地にある電車たちは東北本線沿線の車両基地でまかなえる。田町の車両基地の跡地は大規模な再開発が予定されており、品川―田町間に新駅の構想もある。
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