順風満帆に見えるLEGOだが、実は2004年ころには、いつ破産してもおかしくない状況に追い込まれていた。当時社内では、どのおもちゃを新しく開発して、どのおもちゃをボツにするか、という議論が続けられていた。だが倒産しそうな状態の会社にいる人たちがどれだけ議論をしても、なかなかいい答えが出るはずもない。
そして結局、正直に「好き、嫌い」といった本音を語ることができるのは「子供と酔っ払い」しかいないという結論に至ったと、後に当時の幹部の1人が語っている。以降、開発するおもちゃを子供のグループに見せながら、改良を重ねて商品を世に送り出してきた。それが、LEGO復活の秘訣(ひけつ)だったともいわれている。
倒産間近からの復活劇。LEGOに関する著書『Brick by Brick』があるデービッド・ロバートソン氏にいわせれば、その復活のカギはこうだ。「マネジメントの役割が、どんなおもちゃを市場に送り出すか考えることから、徹底的におもちゃを下調べしたか確認することに変わったからだ」
ちなみに倒産間際までのLEGOでは、新商品の開発部はほとんどがデンマーク人だった。だがこれではグローバルな競争に勝てない、と考えた新就任の部長は外国人を登用。さらに部内にマーケティングチームも発足させたという。
そこから世界第2位のおもちゃメーカーにまで上り詰めたLEGO。2014年2月には映画の公開も予定しており、これからもその動きは注目だ。
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