「おでかけ研究所」の主席研究員・長谷部潤さん
土肥: 湯布院の事例については、自社の位置情報を分析したものですよね。“人の動き”を詳しく分析するために、コロプラは2013年7月にKDDIと連携されました。
具体的にどんなフローになっているのか、KDDIの新居眞吾さん(新規ビジネス推進本部 ビジネス統括部長)に聞いてきました。「レポートに使用するデータはKDDIが利用者の同意を得たうえで、個人を特定できない形式に加工して(※)、コロプラに分析の作成を委託しています。地方自治体や観光協会などに提供する際は、個人を特定できる情報は一切含まれていない形で提供しています」と言っていました。
※位置情報をそのまま使うのではなく、数百メートルから1キロメートル四方にするなど、ぼやかした状態にして取り扱っている。観光動態調査に不必要な自宅や勤務先周辺の情報を除去し、データの連続性を遮断するために端末ごとのIDを一定期間で変更するなど、二重三重の処理をしている。
長谷部: ユーザーにとって「『同意した』『同意していない』に関わらず自分の情報が使われている」というのは、気持ちが悪いですよね。なのでプライバシーについては、ものすごく慎重に行っています。
土肥: コロプラはこれまで自社のデータを使って分析されてきましたよね。なぜKDDIと組まれたのでしょうか。
長谷部: KDDIが保有するデータ量は、私たちのそれとは比較にならないほど多いんです。また私たちが保有しているデータは、ゲームユーザーのモノなので大都市圏に住む若年層が多い。なので、KDDIのデータを使うほうが“偏りなく”分析することができるんです。
土肥: なるほど。で、第1弾として、東日本大震災によって被災した岩手県、宮城県、福島県の「観光動態調査」(※)を行われたそうですね。まず、岩手県では観光客がどのように動いているのか、教えていただけますか。
※調査期間は4月1日から9月15日までで、岩手県内に1時間以上滞在した人が対象。ただし岩手県居住者・通勤者、7泊以上宿泊している人は除外している。
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