価格.comの普及で“競り”滅亡の危機?誠 Weekly Access Top10(2013年12月2日〜12月8日)

» 2013年12月10日 18時15分 公開
[池田憲弘,Business Media 誠]

 「Business Media 誠」の記事アクセスランキング「誠 Weekly Access Top10」。今回は2013年12月2日から12月8日までの集計です。

 先週の1位は『あの「ヤマダ電機」も赤字撃沈、ネット通販の「猛威」』でした。家電量販店とWeb通販の激しい値下げ競争について触れています。スマートデバイスで読んだ人が多く、2位以下を大きく引き離してトップとなりました。

 2位は「窪田順生の時事日想」から『最近のフジテレビはなぜ「シンガポール推し」なのか』がランクイン。フジテレビが“お台場カジノ構想”を後押しして、シンガポールを重点的に取り上げている様子を解説しています。


 さて、1位の『あの「ヤマダ電機」も赤字撃沈、ネット通販の「猛威」』では在庫維持費などのコストがかかりにくいWeb通販のメリットを示していましたが、こうしたWeb通販の利用を後押しするのが「価格.com」などに代表される価格比較サイト。最安値を把握するのに便利で、幾度となく利用しています。

photo 秋葉原の深夜販売イベントでは、競りが行われることが多い

 記事中では、価格比較サイトの普及により店頭販売での売り上げが落ち込む様子を説明していますが、それは多種多様なオタクが集まる秋葉原でも例外ではありません。

 秋葉原では、マイクロソフトがWindowsの新OSを出すときに深夜販売(販売解禁になる0時に合わせて店舗を開く)を行うのが通例で、トークショーやカウントダウンなどのイベントも開催されます。イベントの中には掘り出し物のPCパーツなどを扱う「競り」もあり、よく取材するのですが、価格比較サイトが普及してから、この競りの様子が一変。

 製品ごとにある程度まで価格が上がるのですが、ある金額を超えるとほぼ誰も手を挙げなくなるのです。見かねた店員さんが「おまえら、価格.com見過ぎだー!」とあおる場面も。そうです、ほとんどの人が価格.comでの最安値を把握しているため、価格が上がらなくなってしまうのです。

 ほぼ最安値と同等の価格で競り落とされる製品たち。確かに消費者は賢くなっていますが、競りの盛り上がりに欠けてしまうのは少し寂しさもあります(自分も自作PCのパーツをほぼWeb通販でそろえたので大きな声で言えませんが)。とはいえ、店員さんと客の掛け合いや場の熱気はやはり楽しく、アキバならではの文化として続いてほしいと思っています。

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