進むクラウド化、デジタル化―最新会計ソフト活用で業務効率アップ

経費は年末に増やせ! 個人事業主の節税対策【後編】消費税8%時代の確定申告(2/5 ページ)

» 2013年12月06日 08時00分 公開
[ITmedia]

売り上げ、経費の集計は青色申告ソフトで

 節税を考える際に大切なことは、自分がどれくらいもうかっているかを確認することだ。まずは売り上げと経費を集計し、課税所得を算出しよう。本来はこまめに集計するのが理想だが、筆者のようにズボラな性格だと大量の領収書を貯め込んでしまう。「確定申告は2月だからそれまでに集計すればよい」と後回しにしては節税ができない。年末が近付くと売り上げも経費もほぼ確定するので、年内に集計して節税を考える時間を残したい。

 とは言え、売り上げと経費の集計はかなりの労力を要する。誠 Biz.IDの読者なら電卓ではなくPCを使用するだろう。売り上げと経費の合計額を計算するだけならエクセルで充分だが、2月の確定申告の際にまた同じ入力をしないためにも、青色申告ソフトの使用をお勧めしたい。今入力を済ませておけば確定申告は楽に乗り切れるだろう。

 ちなみに筆者は税金関係の記事を毎年書いているので、さぞ税金に詳しいと思われるかもしれないが、いまだにアウトラインしか理解できていない。税率1つとっても頭には入っていないので、速算表をその都度確認している。固定資産の減価償却を手書きで計算するなど不可能。自分自身の確定申告は、青色申告ソフトとインターネットがあるから自力で申告できると思っている。もしPCと青色申告ソフトがない時代に独立してたら、節税効果の高い青色申告は諦め、簡便な白色申告をしていただろう。

やよいの青色申告14 「やよいの青色申告」のシェアは圧倒的1位。業界標準ともいえるので安心感も高い

 詳細は後述するが節税したいなら青色申告をするべきだ。そして青色申告をするなら青色申告ソフトを使うべきだと思っている。筆者が独立してから使用している青色申告ソフトは「やよいの青色申告」。使い続けている理由は、ガイダンスの機能などが充実していて簡単だからだ。

 筆者はズボラなやり方をしていて大量の領収書をまとめて入力する。年に数日しか青色申告ソフトを使用しないので重視するのはどれだけ簡単であるかということ。無料体験版も用意されているので、売り上げや経費の入力を今日から始めることも可能だ。

 筆者は過去7年「やよいの青色申告」を使用しているがインタフェースはほとんど変わっていない。損益計算書や確定申告書の出力系は大幅に改善された印象だ。インタフェース部分とは別に、税制の変化に対応することがバージョンアップの最大の理由だと思っている。

 筆者が独立してから現在までに、所得税と住民税の税率は変わったし、減価償却も大幅な変更があった。子ども手当の導入により扶養控除も変更されている。2013年は復興特別税、2014年には消費税8%と、細かな点も含めると税制は毎年変わるものだ。年賀状ソフトのように5年前の製品を使い続けることができないのが青色申告ソフトだ。とは言え基本的な使用方法はそれほど変わらないので、昨年バージョンの「やよいの青色申告」の使用方法はこちらの記事を参考にしてほしい(参照記事)

ツカエル青色申告+確定申告14 「ツカエル青色申告+確定申告14」。画像はお得な「バージョンアップ・乗り換え専用」パッケージ

 今回はもう1製品紹介しよう。ビズソフトの「ツカエル青色申告+確定申告14」だ。このソフトを選んだ理由はインタフェースが「やよいの青色申告」に似ているから。ビズソフトの「ツカエル青色申告+確定申告」は、弥生で会計ソフトを作っていた人たちが開発した製品なのでDNAは同じだ。詳しく調べてみると「やよいの青色申告」からデータをコンバートする機能も搭載している。

 もう1つの理由は価格が安いこと。製品単価も安いが「ツカエル青色申告+確定申告14」は同じソフトが2本入っていて、2台のPCにインストールできる。しかも知人、友人と分けあうことも認められているので、割り勘で買えば半額という安さだ。

 さらに低価格な「バージョンアップ・乗り換え専用」パッケージも用意されている。旧製品や他社の青色申告ソフト以外に、何とエクセルも乗り換えの対象となっている。試してみたところ、インストール中に他社対象製品のCDなどをドライブに挿入してチェックする工程はないようなので、事実上は誰でも買える激安版と言えそうだ。しかも2人分が同梱されているので、実質2000円台で購入できることになる。

ツカエル青色申告+確定申告14 パッケージには2本同梱されている

 「やよいの青色申告14」と「ツカエル青色申告+確定申告14」のパッケージを購入すると、それぞれ税金の解説本が付いてくる。「やよいの青色申告14」に付いてくる『はじめての青色申告』は本数限定でバンドルされる解説本だが、Webサイトからダウンロードして読むこともできる(参照リンク)

 「ツカエル青色申告+確定申告14」に付いてくるのは、市販されている『自分ですらすらできる 確定申告の書き方』。こちらも本数限定でバンドルされている。筆者も独立したころは、この手の解説本を読んで勉強した。1冊は持っていた方がよいだろう。

はじめての青色申告自分ですらすらできる 確定申告の書き方 (左)「やよいの青色申告14」に付いてくる『はじめての青色申告』(右)「ツカエル青色申告+確定申告14」に付いてくるのは市販本『自分ですらすらできる 確定申告の書き方』

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