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» 2013年12月04日 08時00分 UPDATE

消費税8%時代の確定申告:経費は年末に増やせ! 個人事業主の節税対策【前編】 (1/4)

3月の確定申告に向けてそろそろ準備を始める時期となった。節税の第一歩は、自分の納税額がどのように計算されるのかを知ることだ。年末までにできる節税対策を考えてみよう。

[奥川浩彦,Business Media 誠]

 時すでに遅し――2007年1月下旬、独立して初めての確定申告を前に筆者は後悔した。当時の筆者はほぼ無計画に独立。税金の知識は皆無。年が明け、確定申告の解説本を数冊読み、青色申告ソフトを購入して入力。課税所得の意味を知り、納税額を見てガッカリ。節税は年末までにしなければいけないことに気付いたが「時すでに遅し」だった。

 これから2回に分けて、独立して初めて確定申告をする人やこれから独立を考えている人が、筆者のように後悔しないために、個人事業主が年末に行うべき節税対策について考えてみたい。まず今回は、個人事業主の納税額の算出方法を理解しよう。

「税金とか知らないし」では通らない

 独立を考えている人、独立した人は何かしら得意な分野を持っているはずだ。プログラマー、カメラマン、ライター、スタイリスト、ヘアメイク、料理人、大工……。半面、不得意な分野もあるだろう。例えばプログラムは得意だが営業は不得意とか、原稿は書けるが英語が苦手とか、料理は得意だが接客は……などさまざまだ。その不得意な分野の1つに経理を挙げる人は多い。

 サラリーマンをしていると、自分の所得税や住民税が算出できないのは当たり前。税金の知識がなくても困ることは少ない。いざ独立となり「経理とか知らないけど大丈夫か」と不安に感じる人も多いはずだ。あるいは「営業できないし、経理とか知らないから無理」と独立を諦めてしまう人もいるかもしれない。おそらく不安に思うことは事業を軌道に乗せるために大切な感覚だろう。「どんぶり勘定で大丈夫」と思う人こそ起業に失敗する可能性は高い。

 参考までに下のグラフを見てほしい。これは個人事業主の開業からの残存率を示したものだ(経済産業省の工業統計表を元に中小企業庁が集計)。対象は従業員4人以上の製造業で集計期間は1984年から2002年。3人以下の起業は含まれていないし、リーマンショック以降の不況の影響を考えると、現状はもっと厳しい数値になっているかもしれない。

個人事業主の残存率 個人事業主の残存率(出典:中小企業庁)

 グラフを見ると約4割の個人事業主が1年を持たずに廃業している。3年で6割、6年で8割、10年で9割が廃業というのが現実だ。会社の近くの飲食店で数カ月で閉店する店もあるし、廃業するコンビニも珍しくない。筆者の知り合いでも独立して数年でサラリーマンに戻った人もいる。5年、10年と事業を続けることは容易ではない。この現実を知ると「どんぶり勘定で大丈夫」とは言えないはずだ。経理に限らず、事業を進めるうえで不得意な分野を減らしていくのは大切なことだと考えられる。

 ちなみに筆者は独立して7年が経過した。グラフを見ると18.2%の生き残り組に入ったことになる。回りの人には安泰と言われることもあるが、起業したころより今のほうが不安を感じることは多い。来年どうなるかは、そのときになってみないと分からないと思っている。

 独立したら確定申告は避けられない。税金など得意分野以外の知識を身につけることが健全経営で長く事業を安定させるために必要だ。まずは個人事業主の税金の仕組みを理解し、年末までにできる節税対策を習得していただきたい。

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