インタビュー
» 2013年12月04日 11時05分 UPDATE

仕事をしたら“農業の今”が見えてきた:今、農業に必要なことは? 農家は「考える」ことを止めさせられた (2/6)

[土肥義則,Business Media 誠]

農家は「考える」ことを止めさせられた

yd_my2.jpg マイファームの西辻一真さん

土肥: 「農業」について、ずーーっと前からこう言われていますよね。「このままではダメだ。なんとかしなければいけない」「後継者がいない」などと。農業のことをよく知らない私には、課題がまったく解決しないまま今日に至っている感じがしています。実際のところどうなんでしょう? 農業の世界にも“転機”のようなものがあったのでしょうか?

西辻: ありました。ここでちょっと歴史を振り返らせてください。第二次世界大戦が終わったあとに、日本では「農地改革」がありました。学校の授業で習ったはずなので、この言葉は聞いたことがあるはず。当時は大きな地主さんに小さな地主さんが付いていました。しかしその制度を止めて、大きな地主さんは小さな地主さんに農地を配っていきました。

 また国は「食料管理制度」(1995年に廃止)を基に、食糧の生産や流通などに介入していました。つまり、農家は管理されていたんですよね。やがてJA(当時は農協)という組織ができて、その枠の中で“みんなで何かを作ったらいいよ”という、いわば国策で農業が進められていきました。ということは、その枠の中にいる人はどうなっていったと思いますか?

土肥: そうですね……競争力が失われたとか?

西辻: 正解ですね。枠の中にいる多くの人たちは「考える」ことを止めてしまいました。いや、正確に言うと「考える」ことを止めさせられました。例えば「減反」という政策があるので、農地さえ持っていればそこで何をしなくてもお金が入ってくる。こうした状況に、多くの人は甘えていたのではないでしょうか。

 ただ2007年に起きたリーマンショック後に、潮目が大きく変わりました。経済が急激に冷え込んだので、先行きに不安を感じた人が多かったのではないでしょうか。「これからの時代、どの産業がくるのか?」と考え、農業を選んだ人が増えてきたと感じています。

 一般の人の間でも野菜作りなどが流行りましたよね。ベランダで家庭菜園を始めた人が身の周りにいませんでしたか? また私たちのような農業ベンチャーが数多く誕生しましたね。

土肥: リーマンショック後にできた農業ベンチャーは、その後どうなったのでしょうか?

西辻: 残念ながら、多くは消え去りました。

土肥: なぜですか?

西辻: 一番大きな原因はここ数年、毎年のように異常気象が続いているため。大きな台風が何度もやって来ると、農家にとってはものすごくツラい。また大企業が農業に参入して、価格競争で負けてしまった企業もありました。

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