年々競争が激しくなる飲食産業で、消費者の好みの多様化に応えるために「専門店に負けない味を実現したサイドメニューを増やすことが重要になっている」(同社広報宣伝部の辻明宏氏)というくら寿司は、ラーメンやプレミアスイーツなど寿司以外の商品を次々に投入してきた。コーヒーはその中でも利用客からの要望が多かったものの、導入までに紆余(うよ)曲折があったという。
5年前に各席備え付けの給湯器を使ってもらう形で、インスタントコーヒーをセルフサービスで実験的に提供したが、定着せずに終了。その後、オーダー専用レーンを各店舗で導入したことにより、マシンでドリップしたあと、すぐに注文した客のテーブルまで運べるようになった。
松島氏は「くら寿司はデザートもあるが、デザートを注文するのに飲み物は緑茶というのは違和感があった。コーヒーが登場したことで、より注文しやすくなるのでは。寿司屋で本格コーヒーと言うと違和感を覚える人がいるかもしれないが、あがりを楽しむ文化と同じように、コーヒーを飲んで寿司を食べる文化を作りたい」と意気込んでおり、今後もコーヒーの新メニュー開発と導入を進めるとしている。
「食のテーマパークを目指す」(同社)として、競争の激しい外食産業の中で生き残りを図るくら寿司。回転寿司のイメージを払拭(ふっしょく)するメニューが利用客に受け入れられるかどうかが今後のカギとなりそうだ。
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