最近のフジテレビはなぜ「シンガポール推し」なのか窪田順生の時事日想(2/4 ページ)

» 2013年12月03日 08時05分 公開
[窪田順生,Business Media 誠]

なぜシンガポールなのか

 ご存じの方も多いと思うが、2011年10月にフジテレビで放映されたドラマの映画版で、櫻井翔さんと北川景子さんが主演を務め、32億1000万円という興行収入を記録した。ちなみに、フジテレビは映画が好調で、2013年度の邦画実写興行収入ランキングでは、『真夏の方程式』(32億6000万円)がトップ。次いで『謎解きはディナーのあとで』『そして父になる』(29億3000万円)と、フジテレビが1〜3位を独占している(フジメディアホールディングス決算資料より)。

 そんな大ヒット映画『謎解きはディナーのあとで』のザックリとしたストーリーをご紹介すると、シンガポールへ向かうアジア最大級の豪華客船「SuperStarVirgo」の中で殺人事件が起きるというものだ。

 ドラマ版の原作は、2011年度の本屋大賞第1位に輝いた大ベストセラーだが、映画版はフジテレビによる「完全オリジナルストーリー」である。日本有数の金持ちのお嬢様刑事と執事が、さまざまな事件を解決するというミステリーなので、豪華客船が舞台になるというのは、まあ必然性がある。

 ただ、なぜ「シンガポール行き」なのか。豪華客船は香港や台湾やタイにだって行く。

 その謎解きは、映画の“パートナー”をご紹介した後にしよう。

 『謎解きはディナーのあとで』は舞台となっているシンガポールでも公開され、「ワールドプレミア」が催されている。

 会場となったのは、「マリナーベイ・サンズ」。Smap出演のソフトバンクCMでもおなじみの屋上に超巨大プールのあるシンガポールのシンボルだ。

 レッドカーペットにあらわれた櫻井さん、北川さんなどの出演者を2000人のファンが迎えた、と報じられている。試写が行われたのは「サンズ・シアター」。1500人を収容する巨大シアターで日本映画が上映されるのは初めてのことだという。

サンズ・シアター(公式Webサイトより)

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