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» 2013年11月27日 07時30分 UPDATE

藤田正美の時事日想:中国の防空識別圏に日本はどう対応すべきか (1/2)

国外、国内問わず米国の影響力が落ちてきている。これを見計らったかのように中国が日本の領空上に防空識別圏を設定した。米国の援護が見込めない今、日本はどう対応すべきか、正念場を迎えている。

[藤田正美,Business Media 誠]

著者プロフィール:藤田正美

「ニューズウィーク日本版」元編集長。東京大学経済学部卒業後、「週刊東洋経済」の記者・編集者として14年間の経験を積む。1985年に「よりグローバルな視点」を求めて「ニューズウィーク日本版」創刊プロジェクトに参加。1994年〜2000年に同誌編集長、2001年〜2004年3月に同誌編集主幹を勤める。2004年4月からはフリーランスとして、インターネットを中心にコラムを執筆するほか、テレビにコメンテーターとして出演。ブログ「藤田正美の世の中まるごと“Observer”


photo 2期目に入ったオバマ大統領だが、その影響力は失われつつある

 いま世界の力関係が変わりつつあるように見える。最も大きな変化は米国の凋落(ちょうらく)だ。オバマ大統領は2期目に入って1年しか経たないのにもう「レームダック」(足の悪いアヒル――影響力を失った大統領を指す言葉で、通常は再選がない2期目の後半になると言われる)になってしまったかのようだ。

 外交面ではシリアでの失敗が大きい。「アサド政権が化学兵器を使った」という話が出て、それまでシリア内戦には不介入という立場を取ってきたオバマ大統領は選択を迫られた。大量破壊兵器(WMD)という言葉に米国は敏感だ。2003年のイラク戦争も、イラクのフセイン大統領が核兵器を開発しているという情報が最大の理由だった(核兵器開発の証拠は発見されず、その情報は誤っていたことが証明された形ではあるが)。

 オバマ大統領はとりあえずシリアに介入する意思を表明するも、議会に意見を求めた。というのも、その直前に英国でキャメロン首相が議会によって介入を否決されたからである。しかし、結果的に米連邦議会が決定を下す前にロシアが仲介し、アサド政権は化学兵器を放棄して、国際社会の管理下に委ねることを承諾した。その立役者になったのはアサド政権と関係が深いロシアのラブロフ外相である。

 ロシアは米国が振り上げた拳を横から押しとどめ、シリアの全面譲歩を勝ち取った形となった。フォーブス誌による企画「世界で最も影響力のある人物」の第1位がロシアのプーチン大統領だったのも、このシリア問題を手際よく解決したことによる。一方の米国はシリア問題での右往左往したことで、同盟国からは頼りにならないとされ、対立する国からは見くびられる結果となった。

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