娘と父のマジトーク(その3) 「モンスターズ・ユニバーシティを見て、小説家になりたいと思った」父と娘の週末トーク(2/4 ページ)

» 2013年11月15日 17時00分 公開
[シックス・アパート 中山順司,Business Media 誠]

きっかけは、モンスターズ・ユニバーシティ

父: そもそも、どうして小説を書きたくなったの? キッカケは?

娘: 何だろ? もともと読書が好きでいろんな児童小説を読んでたら、だんだん自分でもやってみたいって思ったんじゃないかな。自分の書いたものを友達に読んでもらうと、うれしいしね。

父: 1作目は、家族以外に読ませたの?

娘: クラスメイトに回し読みされて、けっこう評判だったよ。担任の先生にも読んでもらった。想像力豊かだなって褒められたよ。

父: そりゃすごいね。でもさ、小説を読む人は多いけど、自分で書いてみるって人はごくまれだぞ。もっと、別のキッカケがあったから、行動に移してみたんじゃない?

娘: (しばらく考えて)ほら、7月にお父さんと2人で『モンスターズ・ユニバーシティ』っていう映画を見に行って、すごく感動したじゃない? そのあと、お父さんがネットで見た「ピクサーが教えてくれる!物語を書くための22のルール」(NAVERまとめ)を私に読ませてくれたんだよ。

父: ああ、覚えてるよ。22のルールだよね。ピクサーの中の人がどうやってシナリオを練っているかが垣間見えたよね。

娘: そうそう、他にも1つの脚本を書き上げるのに2年もかけるとか、脚本の中でもお笑い担当とか感動担当とか、チームで役割を分担して脚本を作り上げていくんだって知って、すっごく驚いたんだ。それで私も「映画を見たり楽しむ側の人間」じゃなくて、「物語を作って、お客さんを感動させる側の人間」になりたいって思ったの。そうだ、それがキッカケだ。

父: なるほど、納得したよ。

娘: それに、お父さんは私に『手紙屋 蛍雪篇〜私の受験勉強を変えた十通の手紙〜』って小説も読ませてくれたじゃない。あれもよかったよ。

父: あの小説も、分かりやすくていい内容だったね。大学受験がテーマだから、中1のサオリにはまだ早いかなって迷ったんだが。

娘: そんなことなかった。分からない漢字もほとんどなかったし。お話自体も感動的だったけど、謎解きもあって、最後までドキドキしたよ。

父: 一緒に見た映画とか、勧めた小説がキッカケになったということは、お父さんも少しは役に立ったということかな。

やりたいこともできずに死んでいく大人がいる

父: 小説って、どこで、どんなペースで書いているの?

娘: 学校の休み時間。あと、塾の休憩時間にもちょこちょこと。家でも息抜きに書いてる。

父: 勉強の合間に書いてるんだ? ちなみに、2作目のテーマは何?

娘: 「勇気と臆病」だよ。

父: 何か……すごく仰々(ぎょうぎょう)しいというか、大人っぽいテーマを選んだね。しかし、何で?

娘: これを思い付いたのは、お父さんが読ませてくれた偉人の名言集がキッカケなんだ。

父: あー、8月くらいだっけ? そういうこともあったね。覚えていてくれたんだ。

娘: うん、すごく心に残ってる言葉がいくつかある。

  • チャレンジして失敗を恐れるよりも、何もしないことを恐れろ(本田宗一郎)
  • 財産を失うのは、少し失うこと。名誉を失うのは、多くを失うこと。勇気を失うのは、全てを失うこと(ゲーテ)
  • 人生はどちらかです。勇気をもって挑むか、棒に振るか(ヘレン・ケラー)
  • 何かを始めるのは、怖いことではない。怖いのは、何も始めようとしないことだ(マイケル・ジョーダン)
  • 人の言うことは気にするな。こうすれば、ああ言われるだろう……こんなくだらない感情のせいで、どれだけ多くの人が、やりたいこともできずに、死んでいくのだろう(ジョン・レノン)

父: 全部「勇気」に関する言葉だね。

娘: 私、人の目がすごく気になる性格でさ。人と違うことをしたら、友達にどう思われるだろうとか、チャレンジしたいけど、失敗したらどうしようって臆病になるときがあるの。だから「やりたいこともできすに死んでいく大人がいる」って言葉が、なんだか怖くって。

父: うーん、なるほどね……大半の人が、やりたいことをやれずに生涯を終えるって現実はあるよね。

娘: 怖がって何もできない人間に、自分がなってしまったらやだなーって、ゾッとした。

父: で、「勇気と臆病」をテーマに選んだわけか。

娘: うん。1作目より、いい作品にする自信はあるよ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.