父: そもそも、どうして小説を書きたくなったの? キッカケは?
娘: 何だろ? もともと読書が好きでいろんな児童小説を読んでたら、だんだん自分でもやってみたいって思ったんじゃないかな。自分の書いたものを友達に読んでもらうと、うれしいしね。
父: 1作目は、家族以外に読ませたの?
娘: クラスメイトに回し読みされて、けっこう評判だったよ。担任の先生にも読んでもらった。想像力豊かだなって褒められたよ。
父: そりゃすごいね。でもさ、小説を読む人は多いけど、自分で書いてみるって人はごくまれだぞ。もっと、別のキッカケがあったから、行動に移してみたんじゃない?
娘: (しばらく考えて)ほら、7月にお父さんと2人で『モンスターズ・ユニバーシティ』っていう映画を見に行って、すごく感動したじゃない? そのあと、お父さんがネットで見た「ピクサーが教えてくれる!物語を書くための22のルール」(NAVERまとめ)を私に読ませてくれたんだよ。
父: ああ、覚えてるよ。22のルールだよね。ピクサーの中の人がどうやってシナリオを練っているかが垣間見えたよね。
娘: そうそう、他にも1つの脚本を書き上げるのに2年もかけるとか、脚本の中でもお笑い担当とか感動担当とか、チームで役割を分担して脚本を作り上げていくんだって知って、すっごく驚いたんだ。それで私も「映画を見たり楽しむ側の人間」じゃなくて、「物語を作って、お客さんを感動させる側の人間」になりたいって思ったの。そうだ、それがキッカケだ。
父: なるほど、納得したよ。
娘: それに、お父さんは私に『手紙屋 蛍雪篇〜私の受験勉強を変えた十通の手紙〜』って小説も読ませてくれたじゃない。あれもよかったよ。
父: あの小説も、分かりやすくていい内容だったね。大学受験がテーマだから、中1のサオリにはまだ早いかなって迷ったんだが。
娘: そんなことなかった。分からない漢字もほとんどなかったし。お話自体も感動的だったけど、謎解きもあって、最後までドキドキしたよ。
父: 一緒に見た映画とか、勧めた小説がキッカケになったということは、お父さんも少しは役に立ったということかな。
父: 小説って、どこで、どんなペースで書いているの?
娘: 学校の休み時間。あと、塾の休憩時間にもちょこちょこと。家でも息抜きに書いてる。
父: 勉強の合間に書いてるんだ? ちなみに、2作目のテーマは何?
娘: 「勇気と臆病」だよ。
父: 何か……すごく仰々(ぎょうぎょう)しいというか、大人っぽいテーマを選んだね。しかし、何で?
娘: これを思い付いたのは、お父さんが読ませてくれた偉人の名言集がキッカケなんだ。
父: あー、8月くらいだっけ? そういうこともあったね。覚えていてくれたんだ。
娘: うん、すごく心に残ってる言葉がいくつかある。
- チャレンジして失敗を恐れるよりも、何もしないことを恐れろ(本田宗一郎)
- 財産を失うのは、少し失うこと。名誉を失うのは、多くを失うこと。勇気を失うのは、全てを失うこと(ゲーテ)
- 人生はどちらかです。勇気をもって挑むか、棒に振るか(ヘレン・ケラー)
- 何かを始めるのは、怖いことではない。怖いのは、何も始めようとしないことだ(マイケル・ジョーダン)
- 人の言うことは気にするな。こうすれば、ああ言われるだろう……こんなくだらない感情のせいで、どれだけ多くの人が、やりたいこともできずに、死んでいくのだろう(ジョン・レノン)
父: 全部「勇気」に関する言葉だね。
娘: 私、人の目がすごく気になる性格でさ。人と違うことをしたら、友達にどう思われるだろうとか、チャレンジしたいけど、失敗したらどうしようって臆病になるときがあるの。だから「やりたいこともできすに死んでいく大人がいる」って言葉が、なんだか怖くって。
父: うーん、なるほどね……大半の人が、やりたいことをやれずに生涯を終えるって現実はあるよね。
娘: 怖がって何もできない人間に、自分がなってしまったらやだなーって、ゾッとした。
父: で、「勇気と臆病」をテーマに選んだわけか。
娘: うん。1作目より、いい作品にする自信はあるよ。
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