コラム
» 2013年11月14日 08時00分 UPDATE

自然豊かなエリアに:過疎の町に、企業が次々に集結するワケ (1/5)

高度経済成長期以降、地方から都市部への一極集中傾向が進んだ結果、現在地方では過疎化などの問題が顕在化している。この問題を解決するために、とある街では地域活性化の動きが加速。IT企業やクリエイティブ企業が次々に集結しているのだ。

[小槻博文,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:小槻博文(おつき・ひろふみ)

合同会社VentunicatioN代表。ベンチャー企業の広報立ち上げ・自立運営を支援。1973年東京都出身。1996年早稲田大学卒業。外資系旅行会社でのウィーン駐在を経た後、約10年にわたり事業会社にて一貫して広報に携わる。その後ベンチャー企業の広報支援に関する起業を志し、1年半ほどPR会社にて新たな視点からの広報経験を積んだ上で、VentunicatioNを設立。


 高度経済成長期以降、地方から都市部への一極集中傾向が進んだ結果、現在地方では過疎化や限界集落化などの問題が顕在化している。そして少子化や高齢化、また全体人口や生産年齢人口の減少など日本全体が抱える課題をいち早く経験してきたのもこうした過疎地域や限界集落だった。

 そうしたなかでこれら課題が山積する“課題先進地域”にて課題解決に取り組むことで、今後の日本、さらには世界の課題解決に役立てようと地域再生・地域活性化に取り組む動きが加速している。

 そこで今回は徳島県海部郡の美波町の取り組みを紹介したい。

海・川・山が凝縮した自然豊かなエリアに襲う時代の波

 四国は全国の中でも課題が先進している地方で、特に徳島県は限界集落率が2010年時点で全国平均15.5%に対して20%も高い35.5%(総務省・国土交通省「過疎地域等における集落の状況に関するアンケート調査」)、高齢化率も現在36.1%で2040年には40%(国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」)を超えると言われているほど深刻化している。

 そこで徳島県では各市町村と連携して過疎化対策を進めており、山間部に位置する上勝町や神山町の取り組みがよく取り上げられるが、地域再生に向けた動きが急加速しようとしているのが徳島県南部に位置する美波町だ。

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 太平洋に面し国の天然記念物であるアカウミガメの産卵上陸も見られる海岸、渓流魚踊る清流、常緑照葉樹にあふれた山など、海・川・山に囲まれた自然豊かな美波町は、2010年に放映されたNHK朝の連続テレビ小説『ウェルかめ』の舞台になるほか、四国遍路の巡礼地「薬王寺」が町中心部に位置するなど、古くから漁業・農業・観光で栄えてきた。

 一方1970年には約1万3000人いた人口は2013年には約7700人と半減するとともに、若年層の都市部への人口流出により、生産年齢人口の割合は49.8%(全国平均63.7%)、また高齢者人口の割合も41.1%(同23.1%)と、典型的な地方の課題を抱えた地域である。(町人口は2012年6月現在、生産年齢人口・高齢者人口は2010年国勢調査から)

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