土肥: 「アウェーで売れたんだから、あなたのお店でも売れますよね」ということですね。
吉澤: 長野で実験を始めた理由は、もうひとつあります。先ほど、年齢が上がるほどコーヒーを飲む人が増えてくるという話をしましたが、地方は高齢化が進んでいるところが多い。ということは「コーヒーを好む人は、地方にも多いのでは」という仮説を立てました。
土肥: でも、社内で反発はなかったですか? 「やっぱり東京にしようよ」といった声が。
吉澤: ありました。でも私は「長野で成功する」と確信していましたので、スタートしました。
土肥: 実験店は2店舗だったわけですが、現在マチカフェを展開しているお店は、全国で5500店を超えています。ローソンではこれまでもコーヒーを扱ってきましたが、うまく軌道に乗せることができませんでした。そこで“再建人”として、吉澤さんに白羽の矢が立った。やはりコーヒーは人一倍好きなのでしょうか。
吉澤: いえ。
土肥: えっ?
吉澤: 人並みだと思いますね。以前はたまにスターバックスに行って、コーヒーを飲むくらい。コーヒーを担当する前は、中四国の岡山で勤務していました。
岡山でがんばろうと思って、東京の自宅も売りました。配属されて1年後に、突然連絡がきたんですよ。「本社に戻って、コーヒーを担当してくれないか」って。周りのメンバーはもちろん、家族もびっくりしていました。
土肥: コーヒーの香りではなく、“人間ドラマ”の香りがぷんぷん漂ってきました(笑)。そのへんの話を聞かせていただけますか。
吉澤: 分かりました。
(つづく)
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