株式相場のいろいろな決まりゼロからはじめる株式投資入門(3/4 ページ)

» 2013年11月08日 08時00分 公開
[三井智映子,Business Media 誠]

インサイダー

 みなさんもインサイダー取引という言葉は聞いたことがありますよね。

 インサイダー取引は内部者取引ともいいます。上場会社または親会社・子会社の役職員、パート社員やアルバイト、大株主などの会社関係者が、株価に影響を与える事実が公表される前に特定有価証券などの売買を行うことを指します。

 例えば大幅な増益になったとか、新株発行などの事実がまだ未公開のときに、そうした情報を知っている人が「これは上がるぞ〜」とフライングして株を買ったり、譲ってもらってはいけないということですね。では、そうした情報がなにをもって公開されたと判断するかというと、一般紙、通信社、放送局などの2媒体以上のマスコミに対して情報を公開し、さらに12時間以上経過した後ならよしということです。逆にいえば、それ以降は売買しても、もちろん大丈夫なので、売買のタイミングをよく見極めてくださいね。インサイダー取引は金融商品取引法で規制されていますから、違反した場合は懲役もしくは罰金、または両方を科されてしまいます。くれぐれもご注意ください。

税金

 これは結構重要な点ですが、株の利益は課税対象になります。

 株の値上がり益や配当金にかかる税金は、預金の利子と同様に20%ですが、2013年12月31日までは10%におさえられています。

 納税の手間を楽にしたいという人には、証券会社の口座を特定口座にすることをオススメします。特定口座をつくると、年間取引報告書という1年分の取引をまとめた書類を証券会社が作成してくれます。一般口座の場合には、自分でそうした取引をまとめなくてはいけません。さらに、この特定口座を開設する際に「源泉徴収あり」を選べば、証券会社があなたの代わりに納税してくれます。ここで「なし」を選択した場合は、自分で確定申告をしなければなりません。

 ただ、本業以外に収入がなく、株の利益が年間で20万円以下の場合は納税が免除されますので、その場合は「源泉徴収なし」を選んだほうがお得です。「あり」を選ぶと株の利益が年20万円以下でも自動的に税金が引かれてしまいますのでご注意を。

デリバティブ

 金融派生商品とも称されるデリバティブにはあらゆる形態がありますが、要するに価格変動によるリスクを回避するための金融商品の総称です。先に説明した先物取引も、このデリバティブに含まれます。原資産(商品)や、取引の種類によって分類されます。

 商品(コモディティ)デリバティブには、小麦やトウモロコシといった農産物を扱うソフトコモディティや、金属、ブームにもなった金やプラチナなどの貴金属を扱う商品があります。

 また、金融(ファイナンシャル)デリバティブには、個別の株や日経平均などの株価指数、通貨や国債などの債券を扱った証券があります。

 そのほかのデリバティブには、企業の債務不履行のリスクをプロテクトするCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)などのクレジットデリバティブや、スキー場で降雪がどのくらい以上だったらお金を払い、積もらなかったらもらう、という掛け捨ての保険のような天候に関連したデリバティブなどもあるそうです。

 デリバティブの原型は、古代ギリシャの哲学者・ターレスがオリーブの搾油機の権利の取引をしたことらしいです。ちなみに、世界ではじめての先物市場の仕組みを備えた取引所は、なんと日本にありました!

 1730年に大坂にできた堂島米会所です。徳川吉宗公の時代に大岡越前守が進言したそうです。金融に携わっていて、密かにこのことを誇りに思っている人は多いとのことですよ。

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