「卵は1つのカゴに盛るな」――株の運用に伴うリスクゼロからはじめる株式投資入門(2/2 ページ)

» 2013年11月01日 08時00分 公開
[三井智映子,Business Media 誠]
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卵は1つのカゴに盛るな

 では、こうしたリスクを回避するためにはどうしたらよいのでしょうか。

「卵は1つのカゴに盛るな」という格言をご存じですか?  卵を1つのカゴに盛ると、そのカゴを落としてしまったら全部の卵が割れてしまうかもしれませんが、複数のカゴに分けて卵を盛っておけば、1つのカゴを落として卵が割れてしまっても、他のカゴの卵は影響を受けずにすむということです。

 株式投資に当てはめると、特定の銘柄だけに投資をするとその銘柄が下落した場合のリスクが高いので、複数の銘柄に投資をおこない、リスクを分散させたほうがよいということです。これを「銘柄分散投資」といいます。投資が好調で自信があるときは、売買をする判断のポジションの取り方が粗く雑になりがちですが、株式投資は行きすぎてしまう傾向があるため、小口で買って市場動向の探りを入れる打診的な売買から証券会社にエントリーするという選択肢もあります。

 株式投資の場合には、1つの企業の株のみに全資産を注ぐのは避けたほうが賢明です。大型株、小型株、業種もいろいろありますし、2013年初頭ならアベノミクス関連株とあまり政策の影響を受けない株を両方持つとか、内需企業、外需企業、さまざまな分野の株に分けて投資することで、リスクを分散できますよね。

 為替に置き換えてみても、同じ円売り戦略でも、ドル買い円売りだけでなく、ユーロやポンド、オーストラリアドルなどを買って円を売ると、例えばドルが暴落した場合でもリスクを分散できるのです。

 日本では、預貯金・土地・株式の3つに分散して投資する「資産三分法」が有名です。デフレの際は現金の価値が高まります。モノの価格が下がるので同じお金で買えるものが増えるわけです。一方で株や土地の資産価値は下がりがちです。反対にインフレの際は、現金は弱く株や土地が有利ですね。資産の額が大きく、投資期間が長期になるほど、分散投資は重要になると言えます。

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