新・モーレツ社員が「ぶら下がる」時、上司はどうするべきなのか?就活・転職のフシギ発見!(3/3 ページ)

» 2013年10月28日 09時00分 公開
[サカタカツミ,Business Media 誠]
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「ぶら下がる」社員に周囲はどう接すればいい?

 それでは、そういう部下や後輩を持った人は、どう接すればいいのでしょうか。ケースバイケースなので、これという正解はないとは思いますが、少し考えてみました。

 ポイントは2つあります。まずは「話を聞く」こと。新・モーレツ社員を志向していたのに、結果的に「新・ぶら下がり社員になってしまった」人は、変わってしまったキッカケがあるはずです。そこから解きほぐすしかない。世の中はそんなものだという、訳知り顔で価値観を押し付けて、変わらせようとしても無駄だと思うのです。

 そもそも「こういうことがしたい」「こういう風に頑張りたい」と、自分の仕事に対する考え方がハッキリしている人ほど、結果的に「そうできないこと」へ失望し、新・ぶら下がり社員になってしまうケースが多いと思います。掛け違えたボタンは「最初からやり直す」のがベスト。それと同じように原点に立ち戻って、もう一度やり直してあげるのが、約束をホゴにした企業の努め(まあ、それを上司や先輩が背負うというのも違うような気がしますが)だとしておくのが、話としてはスムーズです。

 その上で「仕事を評価する」ことだと思います。新・ぶら下がり社員になってしまう人の多くは「自分にしかできないこと」や「自分だからできる仕事」にこだわりを持っています。それは、就活時点での「働くことの意味を問いすぎる」状態から醸成されたものである可能性は高いのですが、結果として現状、「自分がやりたいこと」に強くこだわりをもっているのです。だとしたら、日々の仕事をきちんと見て、丁寧に評価するしかない。この仕事は「あなただからできる仕事だ」と、ちゃんと見てあげることによって、企業にとって「自分が」必要とされている、という実感が湧くのです。

 個人的な動機を源泉にして入社させた先に、組織が向かうべき方向へと意識を揃えさせるという行為は、マネジメントとしては極めて一般的です。効率もコストパフォーマンスもいい。ただ、そのひずみから「新しいぶら下がり方をする従業員」が生まれ、それが組織にとって問題なら、手間をかけてでも解決すべきでしょう。個人ではままならないことまで、当事者に解決させるのはもう止めにしませんかと、私はここでコッソリとつぶやいておきます。

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