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» 2013年10月18日 00時00分 UPDATE

世界王者・木原直哉氏の生き方:プロのポーカープレイヤーって何? 優勝賞金5000万円を手にした男に聞く (1/6)

2012年の世界大会で優勝賞金5000万円を獲得した、プロ・ポーカープレイヤーの木原直哉氏。東大卒のキャリアでポーカーを生業とする道を選んだ木原氏は、どのような思いでポーカーと向き合っているのだろうか。

[村上万純,Business Media 誠]

 優勝賞金5000万円――。2012年6月に開催された世界ポーカー選手権大会で日本人初の世界タイトルを獲得したプロ・ポーカープレイヤーの木原直哉氏が手にした賞金だ。

 プロ・ポーカーってなに? と感じられた読者も多いだろう。日本ではあまり聞き慣れない職業だが、東大卒の経歴を持つ木原氏はなぜギャンブルのイメージが強いその道を選んだのだろうか。知られざるポーカーの世界や、ポーカーとどう向き合っているかについて、話を聞いた。

木原直哉氏のプロフィール:

1981年北海道名寄市に生まれ、2001年に東京大学理科一類に入学。在学中は将棋部に所属し、バックギャモンやポーカーなどの頭脳ゲームに熱中していく。10年かけて東京大学理学部地球惑星物理学科を卒業し、翌2012年の第42回世界ポーカー選手権大会 (2012 World Series of Poker) の「ポット・リミット・オマハ・シックス・ハンデッド」で日本人初の世界タイトルを獲得。賞金51万2029ドル(約5022万円)を手にした。職業はプロ・ポーカープレイヤー。

 著書に『運と実力の間(あわい)―不完全情報ゲーム(人生・ビジネス・投資)の制し方』(飛鳥新社)がある。


ポーカーは、ギャンブルじゃない

yd_kihara1.jpg 木原直哉さん

――ポーカーというと、一般的に“ギャンブル”というイメージがあります。一般企業に就職せず、プロになろうと決断した理由を教えてください。

木原:大学時代にポーカーと出会って、楽しかったから今も続けているだけで、そこに特別な意思決定はありません。もちろん、親は就職してほしかったと思いますが。

 日本でのポーカーのイメージはすごくマイナーで、プロ・ポーカープレイヤーと聞くと「アングラ」「(金に)汚い」と思う人もいるでしょう。しかし、実際は違います。米国では、プロのプレイヤーがまるで大リーガーのようにスター扱いされていて、街中で会うと思わずテンションが上がってしまうような存在なんです。

 ポーカーを使ってギャンブルすることはできますが、それ以前にポーカーは単なるゲーム。囲碁や将棋のように、すごく面白く、奥が深い頭脳ゲームだと日本人に知ってもらいたい。「ポーカー=ギャンブル」というイメージを変えていきたいですね。将棋の世界も、羽生善治さんが出てくる以前は「根暗」「タバコ臭い」といったマイナスイメージがあったのではないでしょうか。でも、今は子どもの教育に良いという声さえある。

 将来的には、ポーカーを学ぶとマネーリテラシーが付いて、確率も身に付いて……といった感じで教育的なイメージになってほしい。プロ・プレイヤーとして、日本での普及活動は今後も続けていきます。

 あと、よく誤解されるのですが、自分は今の職業が特別不安定なものだと思っていません。「東大卒のキャリアを捨てて」とか「ドロップアウトした」と言う人もいますが、プロ・ポーカープレイヤーであることは誇りですし、次へのステップアップになっていると感じています。

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