中国人はGCB、日本人は? 欲しいモノから見えてきた日中の消費スタイル博報堂・吉川昌孝のデータで読み解く日本人(2/4 ページ)

» 2013年10月04日 00時00分 公開
[吉川昌孝,Business Media 誠]

「子供に○○してあげたい」の多さも特徴

 続いて「中国人はGCB」のCは何か。それはChildです。ランキング9位の「ベビー・子供用品」もそうですが、消費の理由として「子供のために○○してあげたい」という声がたくさん上がってきたのです。

 「子供が中学に上がって成績上々。デジタル商品を買ってあげて励ましたい」(北京・女性37歳)、「iPadを子供に買ってあげたい。たまに自分もゲームで遊べるし、PCより子供の動向を監視しやすい」(広州・男性33歳)、「子供が結婚するので家を買ってあげて幸せになってもらい」(北京・男性52歳)

 いかがですか。タブレットはまだしも、家まで買い与えるとは。「甘やかし過ぎ」と感じた人も多いのではないでしょうか。そこで上海の研究員に疑問をぶつけました。「競争の激しい中国で親が子供に他人に負けない将来を提供することは親の責任であり、投資である」。ここでも“投資”です。非常に長期的な視野で、何にお金を使うべきかを考えている中国の生活者の意識が見えてきました。

“起業”が欲しいモノ? 消費の理由としてビジネスが上がってくる理由

 「中国人はGCB」の最後のBはBusinessです。前述の副収入確保のための金などへの投資にも通じますが、お金があれば事業を起こす、というのは中国の生活者にとって至極当然なことかもしれません。

 「友達と起業したい」(上海・女性46歳)、「投資から収益があった。自分でバーを開きたい」(北京・男性28歳)、「新しく開いた店が黒字転化した。夏に売れるので化粧品を入荷する」(広州・女性35歳)

 こうした声の背景には、何があるのでしょうか。上海の研究員は「中国人は独立志向が強いのと、社会環境として起業しやすいことが2つの大きな要因」と分析していました。一国一城の主になりたい、という気持ちは日本人よりも中国人のほうが強いのでしょうか。

 また、近年のデジタル化の進展も、オンラインショップの気軽な開業など、起業環境を促進しています。専業主婦が多い日本に対して、中国では男女関係なく仕事するのが当然という考えも背景にはあるようです。

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