真夏にこんぶ茶を売れ! 季節外れに潜在需要を掘り起こしたO2O事例カイモノマーケティング(2/4 ページ)

» 2013年10月04日 10時00分 公開
[澤地正人,Business Media 誠]

トマトの販売数は前年比130%増、こんぶ茶は450%増!

 それでは、実際の販売結果を見てみましょう。シュフモでの情報配信期間は2013年7月26日〜8月9日の2週間、店頭での試食販売は8月3日と4日の2日間でした。

 まず、トマトの販売数ですが前年比130%増となりました。特に試食販売前と後の1週間の平均販売数を比較すると、実施後に2倍となっています。このグラフからも試食体験当日よりも、その後に購入した実績が高くなっているのが分かります。

 おそらく試食の体験が記憶として残っていて、次回訪問時に購入したのかもしれません。意外とこの手の“後日買い”というのは、店頭で多く見られます。日本人の恥ずかしがりな気質が関係あるのかもしれませんね。

トマトの売上推移 トマトの売上推移

 一方、こんぶ茶ですが、2週間のうち1日だけを除いたすべての期間で前年比100%を超え、期間中の平均は前年比450%でした。確かに夏場はオフシーズンですので比較元の数字が低いのは否めません。仮に昨年の販売数が1個だとしたら、5個売れれば500%ということになりますが、ここで重要なのは実数よりも「本来、売れない時期に売れた」、つまり新たなニーズ(潜在需要)を生み出せた点にあります。

こんぶ茶の売上推移 こんぶ茶の売上推移
書店との連携 書店でもこんぶ茶レシピ本コーナーを作り、書店と食品売り場の回遊を狙う

 ちなみにレシピ本も、企画前は週間販売数4冊だったのに対して、実施期間中は11冊と通常より2倍の売れ行きがあったようです。今回は1店舗での取り組みでしたので販売実績への因果関係を語りきれない点もありますが、O2Oが販売につながる可能性が見えてきたのではないかと感じています。

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