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» 2013年10月03日 07時00分 UPDATE

臼北信行のスポーツ裏ネタ通信:メジャーリーグでMVP級の大活躍――上原浩治はなぜ自らを「雑草」と呼ぶのか? (1/5)

メジャー5年目となった上原は、レッドソックスのクローザーとして圧倒的な信頼を勝ち得ている。チームはア・リーグ東地区を6年ぶりに制した。だが、海を渡るまでの野球人生は決してバラ色とは言い難かった。

[臼北信行,Business Media 誠]

著者プロフィール:臼北信行

日本のプロ野球や米メジャーリーグを中心としたスポーツ界の裏ネタ取材を得意とするライター。WBCや五輪、サッカーW杯など数々の国際大会での取材経験も豊富。


 至福のひと時を味わった。上原浩治投手のことだ。レッドソックスは6年ぶりにア・リーグ東地区を制し、地区シリーズ進出が決定。2013年9月20日に本拠地フェンウェイパークで行われたブルージェイズ戦で胴上げ投手となった上原は、試合後のシャンパンファイトでチームメートとともに喜びを爆発させた。

 「最高やね。でも、あと3回はやりたい」

 チームの絶対守護神はシャンパンで体中をビショ濡れにして思いっきりはじけながらも、その後に戦う地区シリーズでの優勝、そしてリーグ優勝決定シリーズ、ワールドシリーズへの進出と勝利を固く誓っていた。

ア・リーグMVP候補にもなる大車輪の活躍

上原浩治

 まだ今年の戦いは終わっていないが、ここまでの時点でも上原は十二分の大活躍を遂げている。今季からレッドソックスに加入し、クローザーに定着。9月中旬にはメジャーでの日本人歴代最長となる27試合連続無失点と、37人連続アウトの球団記録をマークした。昨季は地区最下位に沈んでいたチームを地区優勝へと導き、ア・リーグMVP候補にも、その名前が挙げられている。

 地元紙ボストン・ヘラルドが「いまやボストンでコージ・ウエハラの名を知らない人はいない」と評していたが、決してオーバーな表現ではないだろう。レッドソックス・上原は間違いなくボストンで、いや全米でスターダムにのし上がったのだ。

 しかし、あらためて彼の野球人生を振り返ってみると、決してバラ色ではなかったことが浮き彫りになってくる。

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