特捜部といえば今や「国策捜査」という言葉が代名詞になっているほど、政治に左右される。
日本の国民皆保険制度をぶっこわしたい米国様にとって、「徳州会」は目の上のタンコブ……ストーリーとしては悪くない。
が、真相はもっと単純な話なのではという気もする。
徳田毅が米国批判のブログを書いた時期、「徳州会」から長く徳田虎雄の側近をつとめていた男がさまざまな不正や背任行為をしたとして「徳州会」の専務理事・事務総長というポストを奪われた。だが、この「元側近」も負けていない。後ろ暗いことをしているのは“徳田ファミリー”の方でしょ、とぶちまけたのだ。
「すべてを知る男」が徳田ファミリーに反旗を翻してほどなく、週刊誌に毅の女性スキャンダルがスッパ抜かれ、毅は大臣政務官をクビになる。安倍政権が走り出した直後だったことから、こちらも「中国からのハニートラップでは」なんて怪情報が飛んだ。
確かに、タイミングは不可解だった。
徳田毅から「無理やり酒を飲まされ、 性的関係を強要された」と訴えた未成年女性がいたという話だが、事件自体が起きたのは2004年2月。おまけに2007年2月、損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こして1000万円を支払うことなどで示談も成立している。いわば、内々に処理した案件が蒸し返された格好だ。
徳田ファミリーをめぐるゴタゴタを思えば、裏でなにが起きたのかはだいたい想像がつく。
米国につっつかれて特捜部が動いた。安倍政権にダメージを与えるための中国からのハニートラップ……。
事実は小説より奇なり、というのもこの世界では少なくない。しかし、それと同じくらい「事実は小説よりもつまらない」ということも多い。
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