もう1人、ダークホースがいる。それはバーナンキ議長の「続投」だ。すでに8年、議長の座にあるが、後2年の延長という可能性もないとはいえない。とりわけ現在の超金融緩和路線の出口をどう描くかが、市場との対話における最大のポイントとなっている以上、バーナンキ議長以上に出口戦略を説明する適任者はいないということもできる。
誰が議長になるにせよ、最大の問題は世界経済に悪影響をできるだけ与えずに、現在の「異常」な金融緩和からどう脱却するかである。市場は「引き締め」を心配するが、毎月850億ドルもの債券を購入して市場に通貨を供給することをいつまでも続けられるはずはない。ただ金融政策を普通の状態に戻すにしても、舵取りを誤るとその影響は米国や他の先進国だけでなく、世界市場で大きなウエイトを占めるようになった新興国にも及ぶ。
世界経済の海図なき航海を導く船長は、この秋、決まる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PRアクセスランキング