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» 2013年09月18日 08時08分 UPDATE

仕事をしたら“やっぱりヘンな日本人”がいた(後編):宋文州氏は何度も言う。日本人のココがヘンだ (1/5)

ソフトブレーン創業者の宋文州さんは、これまで「日本のおかしいところ」をバッサリ切ってきた。今年で来日28年目を迎えるが、「日本人って変わらないなあ。昔のままだ」という点があるという。それは……。

[土肥義則,Business Media 誠]

仕事をしたら“やっぱりヘンな日本人”がいた:

 ここ数年「ダイバーシティ(多様性)」という言葉をよく耳にするようになった。直訳すると「幅広く性質の異なるものが存在すること」。ビジネス環境が変化していく中で、企業は人種、性別、年齢、信仰などにこだわらず多様な人材を受け入れ、彼らの能力を最大限に発揮させようという考え方だ。

 もともとは米国においてマイノリティーや女性を積極的に採用するために広がったもの。その概念が広がり、日本でも個々の違いを受け入れる動きが出始めている。

 とはいえ、「多くの日本人は多様性を受け入れるようになった」とは言い切れない。職場を見渡しても「外国人なんていない」「女性活用すら進んでいない」といった状況のところも多いはずだ。

 なぜ日本企業では「多様性」が、遅々として浸透しないのか。企業の問題だけではなく、私たち日本人にどこか問題があるのか。そこでソフトブレーンの創業者で経済評論家の宋文州さんに“日本人のココがおかしい”ポイントをうかがった。聞き手は、Business Media 誠編集部の土肥義則。

 →なぜ日本人は「多様性」を受け入れることができないのか(前編)


宋文州氏のプロフィール:

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1985年に北海道大学大学院に国費留学。天安門事件で帰国を断念し、札幌の会社に就職するが、すぐに倒産。学生時代に開発した土木解析ソフトの販売を始め、92年28歳の時にソフトブレーンを創業。2000年12月に東証マザーズに上場。成人後に来日した外国人では初のケースとなる。2006年8月31日ソフトブレーン会長退任、経営から退く。現在は、経営コンサルタント、経済評論家として北京と東京を行き来している。

 著書に『やっぱり変だよ日本の営業―競争力回復への提案』(日経BP企画)、『英語だけできる残念な人々』(中経出版)などがある。


「郷に入れば郷に従え」という考え方

土肥:日本には「郷に入れば郷に従え」といったことわざがあります。「新しい土地や新しい環境に入ったならば、そこでの習慣に従うべき」という意味ですよね。チラっとお聞きしたのですが、宋さんはこのことわざに問題があると。

宋:このことわざはおかしいよ。いいことであれば受け入れますが、悪いことまでどうして受け入れなければいけないのでしょうか。これを市場にあてはめてくださいよ。海外の企業が「日本で商売をしたいなあ」と思っていても、世界の常識が通用しなければ、日本になんてやって来ませんよ。そう考えると「郷に入れば郷に従え」という思想は、いまのグローバル時代においてかなりズレているのではないでしょうか

 もしドイさんの選択肢が1つしかないのであれば、その郷に従わざるを得ないでしょう。しかしいまはそんな時代ではありません。選択肢が10個も20個もあるのに、その郷に従う必要なんてありませんよ。これまでは閉ざされた狭い市場だったので、多くのサラリーマンは会社という郷に従わざるを得なかった。「残業が多い」「給料が安い」「上司に逆らえない」といった環境でも、サラリーマンは我慢してきたんですよ。

土肥:いまはたくさんの選択肢がある。昔と違って転職も簡単になっているので、ヘンな郷は無視してよいと?

宋:ヘンな郷を押し付けられたら、言い返すべきですよ。「お前にだけは言われたくない。そんなこと言うんだったら、オレは会社からいなくなるよ」と。日本にいると、このことわざが当たり前のように使われていますが、やっぱりヘンですよ。我慢するのが当たり前――そんな意味も含まれていますよね。「いまはグローバル化の時代だ」と叫ばれているのに、こんなことわざを言う人は、かなりローカルな発想を持っているのではなでしょうか。

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