オバマ大統領が、本当に"change"したもの――Change.org日本代表 ハリス鈴木絵美さんこれからの働き方、新時代のリーダー(前編)(3/5 ページ)

» 2013年09月17日 07時30分 公開
[吉岡綾乃,Business Media 誠]

米国版「一票の格差」問題

Emmy: 正直、ときどき違和感を感じることはありましたよ。「話を聞いてもくれない人に、なんでこんなに一生懸命やってるんだろう」って思ってしまうことはありました。わざわざ押しかけていって……ねえ(笑)。

 でもこれが米国の選挙のやり方だから。みんなそういうものだと思ってるから慣れてるし、あと支持がはっきり決まっていないエリア、オハイオとかコロラドのようなきわどい地域には、双方のボランティアが押し寄せてすごいことになるんですよ。ボランティアはドアノックするし、選挙が近づけば毎晩毎晩電話がかかってくるから、もう電話線を抜いちゃう、なんていう人もいます。

吉岡: 電話攻撃もあるのですか……すごいですね。日本の選挙とはまったく違う。これに比べたら、日本の選挙カーが迷惑だ、なんて可愛いものかも。

Emmy: 地域によっては、なんですけどね。大統領選に関しては、ニューヨークなどは圧倒的に民主党支持の人が多いので、「ニューヨークで投票しても意味がない」というムードがあるほどです。だからこそ事務局はニューヨークから、オハイオとかそういう(支持が固まっていない)エリアにボランティアを送り込むんですね。こういうエリアは、ニューヨークよりも1票にものすごく価値があるから。「同じ選挙に対して、住んでいる地域によって1票の価値が全然違う。こういうのはおかしいんじゃないか」という話は、よくしていました。

吉岡: なるほど……日本とはまったく違う意味での「1票の格差」問題があるんですね。Emmyさん自身は、ボランティアに参加していて楽しかったですか?

Emmy: ボランティアがバスで移動する、という話をしましたが、そのとき動画を撮影するんですね。米国の映画でよくあるじゃないですか。バスが道路を走って、後ろで楽しそうな音楽がジャンジャン鳴っていて……という。ボランティアがわいわい楽しそうにやっている様子をああいう映画のような2〜3分の動画にまとめて、それを口コミでどんどん広めていくんです。撮影もチームごとに任されているから、「みんなの笑顔を入れよう」とか、いろいろ考えてそれぞれいい動画を作って……うん、楽しかったですね。

Change.org日本代表のハリス鈴木絵美氏(右)とBusiness Media 誠 編集長、吉岡綾乃(左)

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