オリンピックが東京に! スポーツによる経済波及効果「スポーツミクス3本の矢」を考えるあなたの知らないスポーツ、そっと教えます(1/2 ページ)

» 2013年09月17日 07時00分 公開
[衛藤涼太,Business Media 誠]
誠ブログ

 2020年のオリンピック・パラリンピック開催地が東京に決まりましたね。これ以上ない明るい話題だと思います。賛成、反対……いろいろ意見はあるかもしれませんが、決まったからにはオリンピックを、そしてオリンピックが開催されるまでの7年間を楽しもうではありませんか。

 さて、オリンピックの話題と言えば、必ず出てくるのが「経済波及効果」。東京都はオリンピックまでの7年間で3兆円と試算し、民間の調査機関では150兆円なんて数字も出ています。

 実際、オリンピックが開催されて、その後にならないとどのくらい経済に寄与したのかは分からないところですが、少なくとも多くの人の「気持ち」はプラスになっていると思います。

 ただこの東京オリンピックによる「経済波及効果」。果たしてスポーツはどのくらい寄与しているのでしょうか? オリンピックはスポーツの祭典なのでもちろんスポーツが及ぼす効果というのは分かりますが、インフラ整備や運輸、宿泊サービスなど、スポーツというよりはオリンピックという「大きなイベント」に伴う経済効果と私は考えています。 というわけで、純粋にスポーツが発展することによって得られる経済効果はどのようなものがあるか、アベノミクスならぬスポーツミクス「3本の矢」ということで、考えてみましょう。

(出典:TOKYO 2020 CANDIDATE CITY)

スポーツミクス3本の矢

1.スポーツをすることで健康に(社会保障給付費の抑制)

 ご存じかとは思いますが、年々社会保障費は増大の一歩をたどっていて、すでに給付費は100兆円を超えています。これからさらに少子高齢化が進み、高齢者の医療費は増大していくことが予想できます。

 そこで、対策の1つとして、スポーツを子供のころから行うことで、健康な体作りをしていきます。また、高齢者向けのスポーツを展開することで健康寿命を延ばし、医療費の削減を図ります。削減できた社会保障費で、さらにスポーツの普及を促進します。

2.スポーツをすることで経済活性化(消費の刺激)

 現在、日本はデフレからの脱却を目指しています。デフレから脱却するためには消費を促すことが大事です。スポーツをすることによって、新しいシューズやウェアを買ったり、スポーツの後に仲間と飲みに行ったり、スポーツをするために移動をするなど、さまざまなところで消費活動を生み出します。より多くの人がスポーツをすることで、体育館やグラウンドの設備や整備が必要になってくるかもしれません。そうなれば、建設業にも波及していくでしょう。

3.スポーツをすることで職が増える(雇用の創出)

 2の消費の刺激に関連することですが、消費が刺激されればそれだけ雇用が生まれます。スポーツ用品業界や飲食業はもちろんですが、多くの人がスポーツをすればインストラクターのほか、高齢者、障害者向けのスポーツトレーナーなども必要になってくるでしょう。

 こういったトレーナーにオリンピックに出場した選手を充てていけば、問題になっているスポーツ選手のセカンドキャリアについても対策が取れるでしょう。

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