甲斐:学校に持っていくカバンに入るサイズのお菓子でした。ただ、当時のカルビーは袋モノの商品ばかりで、女子生徒のカバンにはややサイズが大きい。買っていただいているのは、子供がいる主婦層が中心でした。
土肥:多くの男性はポテトチップスが大好き。私も中学や高校のときには、よく食べていました(笑)。ただ、同級生の女子が食べていた……という記憶はあまりないですね。カルビーにとっては、その層の獲得が課題だったわけですか?
甲斐:ですね。「なんとか女子生徒にもカルビーの商品を好きになってもらいたい」「スーパーやコンビニの“新しい棚”を獲得しよう」ということで、カバンの中に入るカップ型の商品を提案しました。
幸運にも、カルビーはスティック状のお菓子をつくる機械を導入するかどうか、を検討していました。この機械が導入されると、私たちが提案したスティック状のお菓子ができるかもしれない。で、実際につくってみたところ、おいしかったんですよ。周囲からも「おいしい。この商品、売れるよ」といった声をいただきました。そして、新商品を開発することになりました。1993〜94年のことですね。
土肥:ちょ、ちょっとトントン拍子すぎますよー。シェアを伸ばすために、新商品の開発を考えていた。そのタイミングでコンビニがPOSシステムが導入したので、データをみたところ女子生徒のシェアが低いことが分かってきた。その層をターゲットにした商品を考えていたところ、会社が新しい機械を導入したので、それを使って「じゃがりこ」が誕生した。そして、いまのロングセラーに至る。そんなシンデレラストーリー……読者は嫉妬しちゃいますよ(苦笑)。
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