終身雇用が崩壊し、安定した生活を求め公務員、専業主婦を目指す人が一定数いる一方、東日本大震災などを経て、働き方や仕事に対する考えを大きく変えた人は多く、実際に働き方を変えた人も増えている。仕事一辺倒から、家族とのかかわり方を見直す人も多くなっている。
さまざまな職場環境に生きる人々を、多数のインタビュー経験を持つ印南敦史が独自の視点からインタビュー。仕事と家族を中心としたそれぞれの言葉のなかから、働くとは、生きるとは何かを、働くことの価値、そして生きる意味を見出す。
この連載『働くこと、生きること』は、2014年にあさ出版より書籍化を予定しています。
→どうしてみんな転職しないんだろう?――ハフィントンポスト日本版の松浦茂樹編集長(前編)
1962年東京生まれ。ライター、編集者、コピーライター。人間性を引き出すことに主眼を置いたインタビューを得意分野とし、週刊文春、日刊現代、STORYなどさまざまな媒体において、これまでに500件におよぶインタビュー実積を持つ。また書評家でもあり、「ライフハッカー」への寄稿は高い評価を得ている。
「政治」「経済」「国際」「社会」「テクノロジー」の5テーマを軸とした「発信の場」である「ザ・ハフィントン・ポスト・ジャパン」のターゲットは、団塊ジュニア世代だ。
「スタッフも団塊ジュニア世代に近いところで集めているので、そこをコアにしてユーザー目線で論点を導き出しています。世代ごとの考え方というものはあると思うので」
スタッフとの関わり方にも、独特の考えがある。
「マネジメントの部分では俯瞰(ふかん)することが一番大切だと思っているので、すべてのスタッフから等距離でいたいんです。個別で語るっていうことを基本的にはしないと決めているから、例えば、あえてランチには一緒に行かない。逆を行くやり方なんですけど、僕が今までそうやってきたので、そのほうが距離感を正確に測れるんです」
そんな距離感のもと、スタッフに対して意識していることはなんだろう?
「能動的に動く姿を見せることですかね。ただ、僕は引っぱるタイプではないので、基本的にはみんなで上に上がりたい。結果的になんですけどボトムアップの世界で生きてきた人間なので、そういう環境作りが大事かなと思うんです。ですからどんなことでも、やろうとしていることは『うん、いいよ』ってやらせることが絶対的な条件だと思いますね」
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