損益計算書は何のために作るのか?社長のための「非常識な会計」のルール(3/3 ページ)

» 2013年09月10日 07時00分 公開
[村形聡,Business Media 誠]
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商売は、お金を受け取るまでが勝負

『会社にお金が残る 社長のための「非常識な会計」のルール』(日本実業出版社)

 現行の企業会計におけるルールの最大の問題点は、そのルールが「報告」のために作られたものであり、ほとんどの中小企業ではそんな報告を必要としていないことです。

 例えば、あなたの会社はこれまでに株主に対してどのくらいの利益配当をしてきましたか?

「株主って俺のことだろ。そんなもん、やったことないよ」っていう社長が多いんじゃないでしょうか?

 配当が必要な株主がいないのであれば、配当の前提としての利益を計算して出す損益計算書の数字など、鵜呑みにするわけにはいきません。

 実際、期間損益計算にこだわって、毎年の利益なんか見る必要はないです。もしも、経営の道しるべとして業績を知りたければ、もっと小まめに利益を計算するべきです。それとは反対に、3年とか5年とかの長い期間を考えて戦略的にお金を使うこともあるでしょうから、単年度の利益だけでうまくいったとか、失敗したとか判断するのはナンセンスなケースもあるはずです。

 まだお金を受け取っていないのに「利益」に計上されるのもピンとこない話です。やっぱり商売っていうのは、お金を受け取るまでが勝負。そんなふうに考えなければ商売上がったりです。

 売れ残った商品が、費用じゃなくて財産の一部だということは少しは理解できますが、どうにも売りようのない商品まで費用にできないというルールの中で「社長、今年は利益が出てよかったですね」なんて言われても嬉しくないですよね。

 結局、損益計算書の利益で会社の業績を判断するっていうのは、株主の都合だけであって、社長はそういう考え方を飛び越していくべきなのです。

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