万年筆ってイイね! 老舗メーカーを動かした1本の衝撃動画新連載・それ、ちょっと気になる!(3/3 ページ)

» 2013年09月05日 07時00分 公開
[岡田大助,Business Media 誠]
前のページへ 1|2|3       

技術を伝承し、150年、200年先にも革新的な文具つくりを

 オリジナルのジャスタスもほかに類をみない特徴をもったよい商品だったそうだが、ボールペンの台頭による時代の波には勝てず、長らく廃番となっていた。今回の復活は、近年、若い人を中心に万年筆が「ライフスタイルを表現する、こだわりアイテム」と見直され始めたことも大きいが、同社の技術を若手技術者に伝承する狙いもあったという。

 余談となるが、大橋巨泉さんがCMに出演して「はっぱふみふみ」という奇抜なキャッチフレーズで話題となったショートサイズ万年筆「エリートS」も、「エリート95S」として2013年6月に復活している。

 さて、新ジャスタスに戻ろう。旧版に比べると、ペン軸が少し太く、そして長くなった。また、キャップは3万1500円という価格の本格万年筆にふさわしく、かつインクが乾きにくいネジ嵌合(かんごう)式に改めた。さらにペン先が大型化したことに伴い、コントロールプレートの繰り出し量も増えている。技術者たちは、適切な繰り出し量やペン先を押さえる力加減に試行錯誤したそうだ。

JUSTUS95 写真下がジャスタス95。写真上は旧ジャスタス(武井さんの私物)

 「ジャスタス95の設計は若手技術者が中心となって進めました。当時の設計図は紙で残されていて、それを先輩技術者の助言を得ながら改良し、電子化していったのです。2018年に創業100年を迎えますが、こうやって伝承された技術が今後150年、200年となっても未来の若手技術者に受け継がれ、次世代の筆記具を生み出していってほしいと思います」(武井さん)

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.