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» 2013年09月04日 17時40分 UPDATE

ターゲットは30〜40代男女:ホットなのに炭酸? 日本コカ・コーラ「カナダドライ ホットジンジャーエール」を飲んでみた (1/2)

「炭酸なのにホット専用」という、まさかのジンジャーエールが10月21日に発売される。どんな味なのか、実際に記者が発売前の製品を試飲して体験。なぜこの商品を開発したのかについても聞いてみた。

[吉岡綾乃,Business Media 誠]

 炭酸飲料といえば、キリッと冷やしてごくごくと飲み干すもの……そんな常識を覆す商品が登場した。10月21日に発売される日本コカ・コーラ「カナダドライ ホットジンジャーエール(以下、ホットジンジャーエール)」は、ホットのみで提供するという新しい炭酸飲料だ。

 ホットジンジャーエールは、180ミリリットル缶入りで120円、約82.8キロカロリー。コンビニやスーパーのホット飲料コーナーや自販機で販売される。

ay_hot01.jpg 「カナダドライ ホットジンジャーエール」

 推奨する「飲みごろ」の温度は55度前後。ホット専用の商品なので、家庭などでの再加熱は避けてほしいという。味はジンジャーフレーバーをベースに、アップルフレーバーとシナモンフレーバーを加え、ぴりっとした刺激ある味に仕上げている。

 9月4日、日本コカ・コーラは「コカ・コーラ史上 世界初の新製品説明会」と題して、ホットジンジャーエールの発表会と試飲会を行った。なぜ「ホットで炭酸」なる商品が生まれたのか? 本記事では発表会の様子をまとめる。

なぜ「ホットで炭酸」のジンジャーエールが生まれたのか

 炭酸飲料は夏に売れるものだ。炭酸カテゴリー製品の各月の販売数量を見てみると、11〜2月の平均は、通年平均の約80%。日本コカ・コーラでは以前から、「冬場の炭酸需要を増やすことはできないか」という問題意識があった。一方、冬に売り上げを伸ばすのがホット飲料カテゴリー。こちらの内訳を見ると、コーヒーが53%、紅茶・茶が35%、その他12%と、コーヒー・紅茶だけで9割近くを占めていることになる。

 また飲用シーンを調べたところ、ホットドリンクは家の中よりも外で飲む人が多いのに比べて、炭酸飲料は家庭内で飲む人が65%と多く、「ホットで炭酸」という商品が作れれば、家の外で炭酸を飲む需要を拡大できるのではと考えたという。

ay_hot03.jpgay_hot04.jpg 冬場は炭酸飲料の需要が下がる(左)。ホットドリンク市場の構成(右)

ターゲットは30〜40代男女

 日本コカ・コーラでは、看板商品であるコカ・コーラ以外にも、ティーン向けの「ファンタ」、ヤングアダルト向け「スプライト」、大人向け「シュウェップス」「POWERADE FUELX(パワーエイドヒューエルエックス)」と複数の製品ラインアップをそろえ、さまざまな炭酸飲料を販売している。

 年代別の飲用量構成比を見ると、炭酸飲料では42%、ホットドリンクでは43%が30〜40代ユーザー。炭酸飲料とホット飲料、両カテゴリーで重要な30〜40代ユーザーに対して訴求できる新しいホット炭酸ドリンクとして「ホットジンジャーエール」の開発がスタートした。

ay_hot05.jpgay_hot06.jpg 炭酸カテゴリーにおいて、30〜40代は重要なターゲット(左)。ホットドリンクは外で、炭酸ドリンクは家庭内で飲まれることが多い(右)

ホット飲料に炭酸を入れて大丈夫?

 開発がスタートしたのは4年前。冬場の炭酸飲料需要を拡大する製品として、2009年に試作品を作って消費者モニターパネルテストを行った。すると、「ホットで炭酸」という商品コンセプトに対しては「温かい炭酸なんて面白い」「どんな味がするのだろう、飲んでみたい」とポジティブな評価が多かったのに対して、実際に試作品を飲んでみたモニターからは「炭酸をあまり感じない」「味や香りが好きではない」といった、ネガティブな反応が多かったという。

 テストの結論は「興味を持って1回は買ってもらえても、おいしくなければ2回目はない」。そこで開発チームは「ホットでおいしい炭酸の味とは?」を考え、ジンジャーエールベースにすることを決めた。アップルフレーバーやシナモンフレーバーを加え、現行の(冷やして飲む)「カナダドライ ジンジャーエール」とは異なる味に仕上げている。

 「おいしさ」に加えてもう一つ課題となったのは「自販機で販売できるか」。炭酸飲料は自販機で買ってすぐ開封すると泡が出やすく、とくにホットジンジャーエールの場合は加熱してある分、炭酸の泡が吹き出しやすい。自販機で買ってすぐに開けても吹き出さないよう、泡をどうコントロールするかに腐心したという。「泡が発生したり、消えたりというのは、表面張力の大小で決まります。表面張力の大小は、(液体の中に)溶けている原料で決まります。原料を調整することで泡をコントロールしました」(コカ・コーラ東京研究開発センター 製品開発 炭酸グループ マネジャー 朝日浩氏)

 炭酸が溶けた液体は、冷たい状態よりも温かい状態のほうが炭酸が抜けやすい。ホットジンジャーエールは冷たい炭酸飲料に比べるとすぐに炭酸が抜けてしまいそうだが、「栓を開けてすぐに炭酸が抜けるわけではなく、徐々に抜けていきます。180ミリリットルという飲みきりサイズにしたのには、炭酸が抜けきる前に飲み終わってほしいという気持ちがあるためです。(温かい状態で開けて)ぬるくなる前に飲み終わっていただければ、完全に炭酸が抜けた状態ということはないはずです」(朝日氏)

ay_hot07.jpgay_hot08.jpg ホット炭酸開発の2つの課題(左)。現行のカナダドライジンジャーエールとは異なる、ホット炭酸向けの味に仕上げた(右)

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