LINE、NAVERまとめはなぜ強いのか?――LINE株式会社 森川亮社長8000字インタビューこれからの働き方、新時代のリーダー(6/7 ページ)

» 2013年09月04日 07時30分 公開
[吉岡綾乃,Business Media 誠]

スマートフォンへのシフト、Yahoo! JAPANとの提携

――現在LINE株式会社では「LINE」「NAVER」「ライブドア」といった事業を展開していらっしゃいますが、それぞれどういう位置づけなのでしょうか。

森川: NAVERでは検索サービスの事業をしていたのですが、日本のPCインターネットの世界で検索サービスで成功するのは難しいということで(編注:韓国ではNAVERの検索エンジンはGoogleやYahoo!よりも高いシェアを誇る)、震災が起きる少し前、2010年頃にスマートフォンシフトを進めようと決めました。

――2010年というとかなり早い時期ですね。

森川: ええ。震災が起きて、スマートフォンシフトを進めようという方針を強める中で、LINEが出てきたんです。

 LINEはグローバルのプラットフォームとして海外展開を進めていきたいと思っています。コミュニケーションのツールが基盤ですが、コンテンツやサービス、マーケティングでも非常に大きな成果が出ていますから、これをLINEの成功とともにもっと広げていきたいと思っています。

 検索については、現在、Yahoo! JAPANと組んでチャレンジしています(参考記事)。もともとNAVERの検索の強みは「コミュニケーションと検索を結びつける」というところにありました。コミュニケーションと検索を結びつけたソーシャルサーチという部分が強みだったので、SNSとかコミュニケーションの部分を育てつつ、Googleのように検索エンジンの部分もやらなくてはならなかったのですが、両方やるのは、なかなか難しい。今後は、Yahoo! JAPANの検索と弊社の「人の力」による情報ナビゲーションの部分を融合させ、検索の課題解決力や検索満足度を向上させていく取り組みを共同で行っていくことになります。ここは、期待している部分ですね。

LINE株式会社が運営する検索サービス「NAVER」

――ライブドアはいかがでしょう。

森川: ライブドアは、ポータルという性格から変わってきて、現在はメディア化が進んでいます。今後は、NAVERまとめや、ライブドアブログといったものが一体化してくることになるんじゃないかなと。

 「ソーシャルの結果としてコンテンツを生み出すプラットフォームを持っている」という部分が、僕らの強みだと思っているんです。PCインターネットの世界で“コンテンツ”というとニュースが代表例で、プロの記者が作る、パッケージングされたものでした。でもスマートフォンの世界の“コンテンツ”は違うんじゃないかと。(これからはプロではなく)フリーランスの人や個人が集まってキュレーションを行い、コンテンツが生まれていく。そこをプラットフォームとして持っていて、コンテンツが生み出せていくのが僕たちの強みだと思っているんです。NAVERまとめも、ライブドアブログもそうです。

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