ネスレ日本が日本でインスタントコーヒーを発売したのは1960年のこと。今では、年間120億カップ、日本全体で飲まれるコーヒーのおよそ4分の1をネスカフェが占めているのだ。そんなネスカフェが、インスタントコーヒーを“卒業”するという。どういうことなのか?
ネスレ日本は、9月1日からすべてのネスカフェ製品をインスタントタイプの「レギュラーソリュブルコーヒー」として一新。コーヒー豆を丁寧に微粉砕した粒子を、ネスカフェ独自の抽出液と混ぜて乾燥させた「挽き豆包み製法」を採用する。
ソリュブルとは可溶性のこと。お湯を注ぐと既存のインスタントコーヒー同様に乾燥したコーヒー抽出液が液体に戻るのと同時に、コーヒー豆粒子からもコーヒー成分が抽出される。従来の課題であった「カップの中で生まれるアロマ(香り)」を解決した。
それ故、新しいネスカフェでは飲み終えたカップにコーヒー豆の粒子が残るのが特徴だ。同社ソリュブルコーヒービジネス部の深谷龍彦部長は「これまでの新商品は『コク』『香り』といった目に見えないもので訴求してきた。新ネスカフェは、コーヒー豆に由来する淹れたての香りと味わいを、目に見える形でも理解してもらえる」とコメントする。
また、製造コストは上昇するが、内容量を減らす(ネスカフェ エクセラの場合、250グラムから230グラムへ)ことで既存製品とほぼ同じ価格帯に据え置き、値ごろ感を演出する。高岡浩三社長は「新しくなった味わいなど、納得してもらえる価値がある。決して新製品のコスト増のすべてを内容量で調整しているわけではない」という。
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