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» 2013年08月27日 19時00分 UPDATE

中村伊知哉のもういっぺんイってみな!:テレビのスマート化とYouTubeのテレビ化 (1/2)

YouTubeなどネットの攻勢に対し、何もしないと「テレビは死ぬ」。それは明らかだ。テレビ局がよいサービスを開発できるかどうかが要となる。

[中村伊知哉,@IT]

中村伊知哉(なかむら・いちや)氏のプロフィール:

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慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授。京都大学経済学部卒業。慶應義塾大学博士(政策・メディア)。デジタル教科書教材協議会副会長、 デジタルサイネージコンソーシアム理事長、NPO法人CANVAS副理事長、融合研究所代表理事などを兼務。内閣官房知的財産戦略本部、総務省、文部科学省、経済産業省などの委員を務める。1984年、ロックバンド「少年ナイフ」のディレクターを経て郵政省入省。通信・放送融合政策、インターネット政策などを担当。1988年MITメディアラボ客員教授。2002年スタンフォード日本センター研究所長を経て現職。

著書に『デジタル教科書革命』(ソフトバンククリエイティブ、共著)、『デジタルサイネージ戦略』(アスキー・メディアワークス、共著)、『デジタルサイネージ革命』(朝日新聞出版、共著)など。

中村伊知哉氏のWebサイト:http://www.ichiya.org/jpn/、Twitterアカウント:@ichiyanakamura


※編集部注:本記事は2013年8月23日に@IT「中村伊知哉のもういっぺんイってみな!」で掲載された記事を転載したものです。

スマートはピンチか? チャンスか?

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 先ごろ、日本民間放送連盟(民放連)のシンポジウムで、スマートテレビに関する議論を行った。米国は、GoogleやAppleなどのIT企業、ComcastやDirecTVなどケーブルや衛星、AT&TやVerizonなどの通信といったセクターが組んず解れつだが、日本の動きは放送局が主導している。

 日本放送協会(NHK)のハイブリッドキャストや関西の放送局が始めたマルチスクリーン型放送研究会、さらには日本テレビ(NTV)やフジテレビの独自サービスなど、日本型のアプローチが目立っている。2年ほど前には、電子書籍と同じく、米国からスマートテレビという「黒船」が来航したとのビビリ感が強かったが、このところ日本としてのサービス像が見えてきたせいか、「怖ろしや黒船論」はあまり聞かなくなった。シンポジウムでも、「スマートはピンチか? チャンスか?」と質問したところ、業界の人は皆「チャンス!」と答えていた。

 すると「YouTubeがテレビ局化している」という声も聞こえてきた。YouTubeが「チャンネル編成化」「動画の増加」「広告の強化」という、3つの策を進めているというのだ。2005年のサービス開始から8年。PCベースのメディアが総合編成のテレビ型ビジネスに本腰を入れてきた。テレビ業界との競合が激しくなると同時に、連携も強まるだろう。

 この数年、世界のメディアは構造変化の波に飲まれている。1つはソーシャルサービス。みんなが参加して作るメディアが普及したこと。そして、クラウドネットワーク。ブロードバンドと地上デジタルテレビ(地デジ)で、通信も放送もデジタルネットワークになったこと。もう1つが、スマホに代表されるマルチスクリーン。1人が数台のPCを使う。ケータイはスマホというPCになり、テレビはスマートテレビというPCになる。テレビ局の動きもYouTubeの動きも、この流れに対応する戦略。通信と放送の融合というより、通信と放送が別ステージに向かって接近しているということだろう。

 YouTubeにとっては、競争の激化が対応を加速している面もある。米国のテレビ局が作った映像配信サービスのhuluや映画配信のNetflix、さらにAppleも力を入れてくる。日本でもテレビ局がサービスに本腰を入れてきた。サービスを束ねるプラットフォームの座が争われている。いち早くそれを確立させたいという意欲は、テレビ局以上のものがあるのではないか。

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