暑すぎてどうしても食欲が落ちてしまう季節。しかし、猛暑でも大阪名物「たこ焼き」をはじめとする“粉もん”は元気だ。さっぱりとした冷たいものが食べたくなり、敬遠しがちだが、氷などで冷やしたたこ焼きや、たこ焼き“風”のスイーツなど一風変わったアイディア商品が続々と登場。くいだおれの町では、専門店などがユニークな商品を次々と考案し、話題になっている。(中井なつみ)
大阪市中央区のたこ焼き店が多く軒を連ねる激戦区。「道頓堀 赤鬼」では、焼きたてのたこ焼きを濃い味付けの冷たいだし汁に浸し、さらにその上からかき氷やフルーツをトッピングするオリジナルメニューが登場した。一見するとパフェのような姿。その名も、「氷りゃ氷りゃ(こりゃこりゃ)」だ。
焼きたてのたこ焼きに氷をかけると、溶けてしまう…との心配もなんのその。あつあつのたこ焼きが氷を溶かしてだし汁がちょうどよい濃さになり、「だしとたこ焼きの味が調和した“料理”として楽しんでもらえる」と同店はアピールする。
約5年前から夏季限定で販売を始めたところ好評を博し、「今年はまだですか」といった問い合わせや、東京や九州などの遠方からはるばる食べにくる常連客もいるそうだ。
「粉もん愛好家」たちで構成され、粉もんの普及活動をすすめている日本コナモン協会(大阪市浪速区)でもこの夏、暑い日にもおすすめの創作たこ焼きメニューを考案した。
“熱い”“コッテリ”といったイメージを払拭するべく、「夏にぴったり、後味スッキリなたこ焼き」というコンセプトで市内の専門学校生と協力してレシピを開発。ポイントは、柑橘系の果物を使って、さわやかな風味を演出することだ。
和製グレープフルーツと呼ばれる「河内晩柑(美生柑)」の果実や皮を細かくミキサーにかけ、ソースやタコの下味付けに使用するというユニークなたこ焼き「美生柑 夏たこ」を完成させた。
8月上旬に大阪市内で開催された「道頓堀たこ祭り」でお披露目したところ、「酸味と苦みのバランスが絶妙」と好評で、当日は約500個が完売。専門店から「商品化したい」という声も上がるほどだったという。同協会では「ソースをアレンジするなどして、新たなたこ焼きも考案できれば」と意欲満々だ。
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