元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。アイティメディアのONETOPIでは「ディズニー」や「博物館/美術館」などのキュレーターをこなしつつ、自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め日々試行錯誤中。
ふと家の中を見渡してみると、私たちの生活のなかにさまざまなネット家電が増えていることに気付きます。インターネットにつながることで便利にもなりましたが、そこには大きな落とし穴が潜んでいるかもしれません。今回は、ネットにつながった“機器”が、あなたに“危機”をもたらすかもというお話です。
PCについては、「安全のために常に最新なものにしましょう」というルールが啓蒙されつつあります。PC本体だけでなく、そこで使っているWebブラウザなどのソフトウェアも同じです。ところがPC以外の機器についてはあまり気にしていないのではないでしょうか? その多くは機能のアップデートができるのです。
NTTコミュニケーションズが興味深いプレスリリースを出しています。インターネットへの接続ID、パスワードを不正に盗まれていた事件の原因が、利用者が使っていた一部のブロードバンドルーターの脆弱性(何らかの攻撃にさらされる欠陥)にあったというものです(関連記事)。
筆者も自宅にあるブロードバンドルーターのアップデートを最後にしたのはいつだかまったく覚えていませんでした(案の定、最新のファームウェアが存在していました……)。ほかにもアップデート可能なものが多くありました。例えばハードディスクレコーダー、ゲーム機器、デジタルカメラ……。カーナビなどもアップデートの対象になっていることもあるでしょう。
特に気をつけなければいけないのは、やはりネットに直接つながる機器でしょう。先日、自動車の電子制御システムの脆弱性を利用することで、外部から自動車を操作することが可能というニュースが話題になりました(関連記事)。現時点では直接ケーブルで接続することが必要ですが、将来はリモート操作になる可能性がないとは言い切れません。
インターネットにつながる機器は、あらゆる人とつながっているといっていいでしょう。その中には悪意を持つ人もいます。将来的にはクルマはもっと積極的にインターネットにつながっていくでしょう。もしも運転中にハンドル操作を奪われたら……。考えただけでぞっとします。
脆弱性は、日々新しいものが発見され、多くの人が知る情報になっています。当然、悪意を持つ人の目にも触れます。むしろ、そのような輩(やから)の方が目ざとくチェックしています。
だからこそ常にもれなくアップデートを実施して、安全性を確保することが重要なのです。安定して動いている機器だから困ることはないと、面倒なアップデート手順を天秤にかけてしまう気持ちもよく分かります。今後デジタル家電を選ぶときに「アップデートの容易さ」も重要視すべき点なのかもしれません。
今回NTTコミュニケーションズが発表したようなブロードバンドルーターへの攻撃は珍しい事象ではありません。この機会にぜひ皆様の環境、そして私たちの認識も「アップデート」をしてみてはいかがでしょうか。
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