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» 2013年08月23日 00時00分 UPDATE

働くこと、生きること(後編):未来は暗い? 明るい? 「助けあいジャパン」の創始者に聞く (1/2)

民間の有志が政府や自治体と連携し、ボランティアベースで情報を発信する「助けあいジャパン」。その創始者である佐藤尚之氏は、今の時代をどのように見ているのだろうか。また未来をどのように予測しているのだろうか。

[印南敦史,Business Media 誠]

働くこと、生きること:

 終身雇用が崩壊し、安定した生活を求め公務員、専業主婦を目指す人が一定数いる一方、東日本大震災などを経て、働き方や仕事に対する考えを大きく変えた人は多く、実際に働き方を変えた人も増えている。仕事一辺倒から、家族とのかかわり方を見直す人も多くなっている。

 さまざまな職場環境に生きる人々を、多数のインタビュー経験を持つ印南敦史が独自の視点からインタビュー。仕事と家族を中心としたそれぞれの言葉のなかから、働くとは、生きるとは何かを、働くことの価値、そして生きる意味を見出す。

 この連載『働くこと、生きること』は、2014年にあさ出版より書籍化を予定しています。

 →なぜ阪神・淡路大震災の教訓を生かせなかったのか――「助けあいジャパン」の創始者に聞く(前編)


印南敦史(いんなみ・あつし)

 1962年東京生まれ。ライター、編集者、コピーライター。人間性を引き出すことに主眼を置いたインタビューを得意分野とし、週刊文春、日刊現代、STORYなどさまざまな媒体において、これまでに500件におよぶインタビュー実積を持つ。また書評家でもあり、「ライフハッカー」への寄稿は高い評価を得ている。


打率じゃなく、打数があったほうがおもしろい

 さとなお(佐藤尚之)氏が、設立後わずか1年で公益社団法人となった「助けあいジャパン」の代表から退こうと決心したのには、ある明確な理由があった。

 「僕みたいなオッサンが上にいると、若い人が入って来にくいんですね。みんな気を遣うし経験者の意見に従っちゃう。だんだん自由闊達(かったつ)なムードが減っていきます。そこで、当時30歳だった野田(祐機)くんに譲りました。彼はちょうど会社を辞めるときで、フルタイムでできる状況だったので」

 ただし収入源も限られていて、困難は多い。「それでも続けられるのは、状況を楽しんでしまえるからですか?」と質問したところ、返ってきたのは「いえいえ、楽しくないですよ」との答え。では、原動力になっているものはなんなのだろう?

 「ひとつには、家族や社員のため。次に、自分だけの特殊な立ち位置を生かした人生でありたいと思っていることでしょうか。文章が書けて、ネットやソーシャルができて、災害支援に詳しかったり、政府とルートがあったり、食にも詳しかったり。そういう特徴を生かして社会をよりよくしていきたい。そういう思いがあります。日頃の行動で心がけているのは、まず『思ってもみない流れには乗ってみろ』という考え方。関係なさそうな流れでも、乗ってみるといろんなものがつながっていくんです。あとは、『人生は打率で測るのではなく打数で測る』という発想。打率を考えていると、打席に立てなくなるんですよ。打数があったほうが、そして一番バッターのほうが、絶対におもしろいんです」

yd_innami1.jpg 公益社団法人「助けあいジャパン」の「さとなお」こと佐藤尚之さん
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