しかし、その一方で当の安楽は「自分は日本のやり方が正しいと思っている。それを今後の野球人生で証明していきたいと思います」と言い切っている。この大会前、夏場の甲子園の暑さに負けないようにしようと済美ナインは監督の指示の下、6月から冬用のグラウンドコートを着用して練習に取り組んでいた。他のナインはグラウンドコートの下にアンダーシャツだけだったが、安楽は自らの意思でナイロン製のジャージを重ね着していたという。さらに練習後は地元のサウナへ行き、10分を1セットにして3セット繰り返して滝のような汗を流し続けていた。夏場の投げ込みに備えたストイックなまでの練習と暑さ対策があったからこそ、強靭な肉体とスタミナを身に付けることができたことを安楽は確信している。
そして安楽の大先輩・松坂も「投げ込み肯定派」の1人。彼は「球数」について、こう語っていたことがある。
「人はいろいろ言うかもしれないけれど、ボクは先発マウンドに立ったならばやはり最後まで投げたい。それが先発投手としての役割だし、気概みたいなものだとも思う。まだ投げられるのに100球で交代しなければならなくなったら、それは悔しい気持ちになりますよね。だから『完投の美学』は追い求めていきたいです」
球児たちの熱い戦いに心を打たれ、明日への活力としていたビジネスパーソンの皆さんはどうお考えか。三者三様の意見があっていいと思うが、再来年で「夏の甲子園」は大会開始以来100年を迎える節目となるだけに懸案の球数問題にはそろそろ本格的なメスが入れられてもいいような気がする。
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