今日は夏休み中という読者の皆さんも多いでしょうから、少し横道にそれて、キャリアとは関係ない話を。外でカレーを食べるとき、よく「ライスにしますか、ナンにしますか」と質問されますよね。あなたはどちらを選びますか?
私はライスを選択することが多いのですが、その理由はルーとのバランスなのです。ナンを頼んでしまうと、ルーが足りなくなってしまいがち。最後にナンだけを食べるのも悪くないのですが、冷めたそれは味気ない。でもご飯だとルーとのバランスを取りながら、最後まで食べられる。私の中で「カレーとご飯」との組み合わせが身に染み付いているからでしょうか……なんて、閑話休題。
男性: 「それやっていて楽しかった?」
女性: 「販売の仕事は好きなので、楽しかったです」
男性: 「そのお店はどうだった?」
女性: 「はい。楽しかったです」
エスニックなカレーを食べる際に、ナンはとても魅力的なのですが、スマートフォンでメモが取りにくいという難点があります。画面が油まみれになってしまいますから。その点、この日も私はライスを頼んでいたので安心。彼らの会話をメールを打つふりをしながらメモしていきます(悪い人です)。
男性: 「でも、ウチに転職したい理由は?」
女性: 「こちらのお店も好きで、求人の張り紙がしてあったので」
男性: 「今の店でやってきたことを、ウチの店でも活かせると思う?」
女性: 「仕事のやり方は店によって違うので分かりませんが、大丈夫です」
会話は終始和やかな雰囲気で進んでいます。パッと見たら面接と気づく人は少ないでしょう。同僚もしくは先輩が、後輩を誘ってランチを取りながら仕事の話をしている、という感じ。面接されている女性は、椅子の背もたれから背中を離して背筋をピンとしているわけでもないですし、当然手を膝の上で軽く握ってもいません(これは、面接のノウハウマニュアルによく書いてあることです)。
その後、面接をしている男性は、自分の店の仕事のやり方を細かく説明し、女性が今働いているお店との違いを確認していました。女性は感心したりうなずいたりしながら話を聞き、自分の店との違いを改めて男性に説明していました。この男性の面接は実にこなれていて、応募者である女性をリラックスさせつつ、資質が測れるような会話をし、経験を棚卸しさせていきます。密かに感心しながら聞いていた私は、次の台詞にうならされてしまいました。
男性: 「海外仕入れが結構あるけど、人見知りはない?」
女性: 「人は好きなので平気です。海外に行くのも好きですから」
人見知りはないか、という質問。ビジネスの現場はシリアスなので、実際には相当の語学力が求められて当然です。テストなどのスコアで自分の語学力を提示する必要がありますし、面接で採用担当者がそのような質問をしても不思議ではありません。
しかし語学力があっても、人見知り(適切ではない表現かもしれませんが、言い得て妙です)だと彼らのビジネスは成り立たないのでしょう。だからストレートに「働く人に求める要件が備わっているかどうかを確認する」という行為を、何気なくとっています。
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