日本のプロ野球や米メジャーリーグを中心としたスポーツ界の裏ネタ取材を得意とするライター。WBCや五輪、サッカーW杯など数々の国際大会での取材経験も豊富。
マー君旋風が止まらない。楽天の田中将大投手が8月2日の日本ハム戦(札幌ドーム)で1失点完投勝利を飾り、プロ野球史上3人目となる開幕15連勝を達成した。次回先発が予想されている9日のソフトバンク戦でも白星を重ねればプロ野球新記録の開幕16連勝となるが、たとえここで連勝記録がストップしてしまったとしても、たかが1敗。ここまでの好投が色あせることはないだろう。
規定投球回数以上に達した投手の中で防御率1.26は両リーグを通じても単独トップ。今季ここまでの登板で4失点以上がなく、1失点以下は12試合となっている(いずれも8日時点)。これらは、驚異的な数字と言っていい。
一体、絶好調の秘密は何なのか――。2日の日本ハム戦でスタンドに陣取っていた他球団スコアラーは「マー君は化け物だよ」と苦笑いしながら、次のように今季の田中を評した。
「今年は変化球の精度が格段に上がっている。2012年以上にどの球も思い通りに使いこなせているという印象だ。チェンジアップは自分の思い描く軌道で投げられ、フォークボールも場面や相手打者によって落差をミリ単位で調整しながら投げている。普通ならば、どんな投手でも先発すれば、その日によって1、2球種ぐらいは思い通りに投げられない球があるが、田中は違う。今年は驚くことにどの試合でも全球種を完ぺきに使いこなせている。あの調子が開幕からずっと維持できているんだから、相手は攻略しようにも突破口が見出せない」
技術的な面で格段の進歩を遂げているのは間違いない。だがここで特筆すべきなのは、田中の強い精神力。持ち前の「超向上心」こそが、今季の快投を導く原動力となっているのだ。
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