みなさん、仲のよい友達がいると思います。学生時代のクラブ活動や遊び仲間は、一生の友人でしょう。気の合う仲間たちとのプライベートのひとときは何にも代え難い、大切な時間でしょう。
一方、会社でも部署やプロジェクトなどで人と仕事をしています。ところがこちらは、すべての人が自分と気が合うとは限りません。むしろ、気の合わない苦手なタイプとも仕事をしなければならないことが多いのが現実です。
仕事において、人を好き嫌いで判断することは間違いです。むしろ「苦手な人ほど自分を成長させてくれる貴重な人」と言えます。なぜなら、自分とは違う視点や価値観を持っているからです。
考えてみてください。他人は、あなたとはまったく違う人生を送ってきたのです。視点や価値観が違うのは当たり前です。違いがあるということは、あなたに大いなる気付きを与えてくれる、貴重な存在ということなのです。
私は「すべての仕事をする人は、クリエイティブ(創造的)であれ」と思っています。クリエイティブな人は、他者から学ぶ力をもっています。人から学ぶ力があれば、アイデアや可能性は無限大に広がるでしょう。
アイデアといっても、おおげさなものではありません。ちょっとした仕事の工夫もアイデアのひとつです。仕事とは創造性を発揮することなのです。創造性がある人は、他者をけっして好き嫌いで判断しません。年齢や性別、肩書きに国籍、健常者・障がい者といった違いで判断しません。
そして、自分とは違う相手の視点や価値観を自分の中に活かそうとします。人を尊重、尊敬する態度に満ちあふれています。すると自分も尊重、尊敬されます。そして豊かな人生を送ることができるのです。
自分の誤りは、自分ではなかなか気付かないものです。「人のふり見てわがふり直せ」という言葉は、「他人から学ぶ大切さ」とともに「自分では自分が見えないものである」ということを教えてくれます。
目標を達成する人は、他人の失敗や誤りを見て「あっ、自分もやりかねないな。気を付けよう」と、自分の行動や言動を直そうとするものです。
目標達成において、相手に言葉をかけることを「フィードバック」といいます。フィードバックをもらうと、ふだん自分では気付かないことに、気付くことができます。
一方で、フィードバックをすると相手に気づきを与えるだけでなく、フィードバックした自分自身が新たに気付きを得ることにもなるのです。「人のふり見てわがふり直せ」を言い換えれば、「人にフィードバックをして、自分自身の足りないところに気付け」ということなのです。
(次回は、「悩んだら上司ではなく、隣の部門の先輩に話してみる」について)
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