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» 2013年08月05日 08時00分 UPDATE

古田雄介の死とインターネット 一問一答:Q. 死後にパソコンの中身を見られたくないんだけど……

死んでも見られたくないデータがPCに入っているのなら、フリーソフトを使って死後に削除されるように設定しておこう。一時ファイルの処理も忘れずに。

[古田雄介,Business Media 誠]

古田雄介のプロフィール:

1977年生まれ。建設業界と葬祭業界を経て2002年にライターへ転職し、テクニカル系の記事執筆と死の周辺の実情調査を進める。ネット上の死の現状をまとめたルポ『死んでからも残り続ける「生の痕跡」』(新潮45eBooklet)を各種電子書籍サイトで販売中。ブログは「古田雄介のブログ」。


A. 専用ソフトで見られたくない部分だけ削除しよう

 PCの中身を見られたくないなら、秘密のパスワードをかけたり指紋認証を利用したりして、自分以外の誰もログインできないようにするのが手っ取り早い。ただし、残された家族の立場からすると、PCは故人の重要なデータが詰まった貴重な情報源でもある。エンディングノートなどで遺品の存在や希望する処理の仕方が明らかにならないとき、その答えをPCに求めたくなるのは人情だ。その人情をHDD単位の暗号化でブロックする手もあるが、見られたくない部分だけ死後に削除する仕掛けを作るほうが、導入コストもかからないし家族にも親切だろう。

 死後に指定したデータを削除するフリーソフトは、ゆき氏作の「死後の世界」(参照リンク)と、C-LIS Crazy Lab.の「僕が死んだら…」(参照リンク)が有名だ。削除日を指定したり、一定期間起動がないときに消去したりするならばタスクトレイ常駐型の「死後の世界」を、遺族にお別れ用のアイコンをクリックしてもらうことで作動する仕掛けなら「僕が死んだら…」を選ぼう。

死後の世界僕が死んだら… (左)常駐型の「死後の世界」、(右)アイコンクリックで作動する「僕が死んだら…」。ともに筆者のWindows Vista/7/8(すべて64bit)環境で動作を確認している

※注:あなたのPCにアクセスする人のスキルは、おそらく高め

 どちらを使うにせよ、削除するファイルやフォルダが自由に指定できるので、見せたくないデータを思い思いに登録していけばいい。ただ、ここで忘れてはならないのは、日々のアクセス履歴の蓄積である「一時ファイル」の存在。あなたのPCにアクセスする人は、遺族や友人のなかでも高いスキルを持っている可能性が高い。大切なデータを探す過程で、直前の足取りが重要なヒントになると気付くのに時間はかからないだろう。徹底したいなら、Webブラウザの一時キャッシュを終了時に削除する設定にしたり、スタートメニューに並ぶ「最近開いたプログラム/項目」を表示しないようにするなどの手を打っておこう。

 あとは、削除処理の際に表示するメッセージに、プロバイダーのアカウントや連絡すべきメールアドレスなど、残された人たちが必要とするような情報をまとめておけば完璧だ。相手のニーズを把握して提示することが、最大の“防御”になる。

 以下、一例として「死後の世界」を使った作業の流れを紹介する。

死後の世界僕が死んだら… (左)初回起動時のメッセージに従って、IDとパスワードを設定すると、(右)設定ウインドが表示される。スタートアップにも登録しておこう
死後の世界僕が死んだら… (左)削除したいファイルとフォルダを指定していく。この際に、一時ファイルフォルダを登録する手もあるが、常駐アプリがらみでエラー表示される危険があるので、事前の動作検証は必須だ。(右)証拠隠滅を強化するなら、タスクバーを右クリックして、スタートメニューのプロパティ画面を開き、「最近開いたプログラム」や「最近開いた項目」が表示されないようにチェックを外しておくのも有効だ
一時ファイルの標準保管場所の例
項目 パス
Windows Vista/7/8一時ファイル C:\users\ユーザー名\Appdata\Local\Temp
Windows XP一時ファイル C:\Documents and Settings\ユーザー名\Local Settings\Temp
Windows 一時ファイル C:\WINDOWS\Temp
IE インターネット一時ファイル C:\users\ユーザー名\Appdata\Local\Microsoft\Windows\Temporary Internet Files
Google Chromeキャッシュ C:\users\ユーザー名\AppData\Local\Google\Chrome\User Data\Default\Cache
死後の世界僕が死んだら… (左)削除するターゲットを設定したら、削除条件を決める。削除日を指定して近づいてきたら更新する「直接指定」と、最終起動日からの間隔で決める「最終起動より指定」があるので、都合のよいほうを選んで日数などを指定しよう。(右)下段にある「>>拡張設定」をクリックすると、さらに詳細に設定できる。削除実行後にメッセージを表示する項目にチェックを入れて、お別れメッセージを登録しておくのがおすすめだ。各種サービスのアカウントやメールアドレス、口座番号といった、遺族にとって重要な情報も記載しておきたい。最後に「適用」ボタンを押せば完了だ

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