JR東日本さん、その卸値、安くない? Suicaのビッグデータ騒動杉山淳一の時事日想(4/5 ページ)

» 2013年08月02日 08時47分 公開
[杉山淳一,Business Media 誠]

さらに大きな金が動く「大人の休日倶楽部」

 JR東日本にはもうひとつ、大きな集金システムがある。会員制の旅行倶楽部「大人の休日倶楽部」だ。満50歳以上が入会できる「大人の休日倶楽部ミドル」と、男性は満65歳以上、女性は満60歳以上で入会できる「大人の休日倶楽部ジパング」がある。どちらも専用のクレジットカードへの契約が条件となり、ミドルの年会費は2000円(ほかにカード会費500円)、ジパングの年会費は3670円だ。

会員制組織「大人の休日倶楽部」

 ミドルはJR東日本とJR北海道の乗車が何回でも5%割引、ジパングは同じく30%割引。他に旅行商品の割引や、JR東日本と北陸地域が4日間も乗り放題となる「大人の休日倶楽部パス」を1万7000円で購入できる。ほかにも数々の特典があり、すぐに会費の元は取れる。

 さて、この「大人の休日倶楽部」の会員数は、2013年3月に160万人を超える見込みと発表されていた(参照リンク)。ミドルとジパングの内訳は公表されていない。仮に半分ずつとして、年会費収入は45億3600万円となる。会費だけで毎年45億円以上の収入だ。これだって組織維持のために諸経費はかかるだろうが、会員のために列車を増発する必要はないから経費は少ない。閑散期に向けてオトクなツアーやきっぷを提供すればいいし、そこでも売り上げがある。

 これだけの組織になれば、会報誌の広告収入だってそれなりだろう。こちらもSuicaと同じく、会員、JR東日本ともに大喜び。誰も損をしない良好なモデルだ。私も入会できる年令になる日を楽しみにしている。「大人の休日倶楽部」の入会パンフレットを見るたびに「早くジジイになりたい」と思ったりする。

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