あなたの会社のWebサイト&SNSは、成果を出せていますか?Webアナリストに聞く(1/4 ページ)

» 2013年07月31日 18時45分 公開
[吉岡綾乃,Business Media 誠]
サイバーエージェント アメーバ事業本部 セントラルデータコンサルティング室 戦略データコンサルティングG 小川卓氏

 企業のブランド認知のためにWebサイトを作る、ユーザーサポートやファンページとしてSNSを運営する。リピーターを獲得するためにメルマガを発行する……。ECサイトを運営するなど、Webページそのものでビジネスをしている会社ではなくても、昨今の企業ではWebへの対応は避けて通れないものになりつつある。

 しかし、漫然とサイトを運営していても、効果は上がりにくい。「より効果を出しやすく、打率を上げるためにWeb分析をするんです」と話すのは、サイバーエージェントの小川卓氏だ。初めの一歩として何をすればいい? SNSにはどこまでチカラをかけて良い? Web分析の基本中の基本を、小川さんに聞いた。


「ビジネスのゴールは何か?」を考えよう

――自社の製品やサービスのブランド認知のためにWebサイトを作ったり、SNSでユーザーとの交流をしたり……と、さまざまな企業がそれぞれに、ネットを活用しています。ただ、Web分析というと、例えば自社のサイトでチケットを販売するなど(参考記事)ECサイトを運営している会社の話になりがちですよね。ECサイトを運営していない会社では、Web分析の考え方は生かせないのでしょうか?

小川 ビジネスには何らかのゴールがありますよね。ECサイトだと、「Webサイト上で売り上げが発生すること」とそのゴールが分かりやすいというだけで、ゴールがオフライン上にあっても、基本的な考え方は(ECサイトと)同じです。

 例えば、BtoBの企業のことを考えてみましょう。Webサイトで資料請求を行えるようにしてあり、資料請求をしたお客さんに電話をし、対面で営業をかける……という活動をするとします。資料のダウンロード数が100件、そのうち20件商談をして、5件が売り上げにつながったとします。この結果、利益が100万円だったとしたら、利益を資料請求100件で割って、1資料請求あたり1万円までなら掛けてOK……というように考えます。

――金額を割り直して出すことが大事、なんですね。

小川 そうです。ゴールがオフラインで、Webで見えない場合だと、リアルタイムには成果が分からないでしょうから、例えば半年おきに営業ツールのデータと照らし合わせて考えよう、などとするといいですね。そうすれば、売り上げが発生するのがオフラインでも、ビジネス上のゴールを見つければ、金額で出せるはず。大事なのは、こうして“金額に換算すること”なのです。

――なぜ、金額に換算することが大事なのでしょう。

小川 それは、Web担当者が行っている施策を金額に換算することによって、その効果を金額で説明できるからです。さっき言ったような「1ダウンロードあたり1万円かけられますね」といった目安があれば、Web担当者は、上司や社内のほかの部署の人たちに、自分がやっていることの価値を金額で伝えることができますよね。そういう基準がないと、どれくらい効果が出ているか客観的に分からないし、どこまでお金をかけていいのかも分からない。そのためにも、金額に換算することが大事なのです。オンラインでもオフラインでも、売り上げに見つかるビジネスのゴールを見つけて、そこを金額に換算することを意識してみてください。

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