本部は一方的に解約できるのか? アイスケースの中に入り込んだ、例の店を考えるとあるコンビニオーナーの経営談議(3/5 ページ)

» 2013年07月22日 06時00分 公開
[川乃もりや,Business Media 誠]
誠ブログ

一方的に店舗閉鎖に持ち込むのは難しい

 すごくやる気のない店で「あの店、やる気あるの?」という本部社員も認めるようなクレームがあっても、いきなり解約にまで話は進まない。本部が何度か指導をして、それでも改善が見込めない場合、解約という道が開ける。

 本部側から解約を進める場合、最悪裁判ということになる。そのためには「日常において継続的に指導をしたが、ダメでした」という記録が必要になるからだ。だから、即アウトということはないと言ってもいい。

 以上の点から、コンビニ本部とはいえ、一方的に店舗閉鎖に持ち込むのはハードルが高い。そこで、さらなる疑問が出てくる。

今回の不始末による閉店なのだろうか?

 『スポーツ報知』の記事には、このように書かれていた。

04年にオープンした同店の今後については「新しいオーナーさんの問題もありますし、再開のメドは立っていない」と話した。

 対象チェーンの契約期間は10年である。問題を起こした店舗は2004年にオープンしたので、満了解約まで半年から長くて1年半という状況だ。半年前であれば、すでに更新契約の準備が整っているだろう。更新を決定してからの取消となると、いろいろと問題が出てくる。だから、更新は決定していない状態なのだろう。もしくは、更新しないことが決定していたのかもしれない。その場合、さまざまな問題が一挙になくなる。筆者はこのパターンである確率が高いと考えている。

 SNSにあのような写真を投稿したことを考えると、店舗は通常の管理状態には置かれていないはず。いくら管理の行き届きにくい深夜時間帯であっても、バイトが悪さをするのは、お客さんがいない時に事務室で漫画を読む程度だ。しかし、今回はSNS投稿で遊んでいる。しかも売り場内でだ。そのような状態で契約を更新することは、本部側からしてみれば有り得ない。