ハリウッド映画に登場する「忍者」は、なぜ韓国人が演じているのか窪田順生の時事日想(2/3 ページ)

» 2013年07月09日 08時00分 公開
[窪田順生,Business Media 誠]

「韓国の忍者」とは

 作品すらも変えてしまう「韓国の忍者」とは何か。その答えが、「ニンジャアサシン」公開前に出た『韓国日報』の記事の中にある。

 コリアタウンのある新宿・大久保がツツジの名所であることに触れ、それを植えたのは、江戸時代に幕府の護衛兵としてこの地(百人町)に暮らしていた伊賀忍者だった……諸説あるが、そういう話もないことはない。うんうんとうなずきながら読み進めていくと、思わず目を疑う記述があった。

 伊賀の忍者は韓半島移住民の子孫なので故郷をしのんで他郷の東京に半島にルーツのあるツツジを植えたという説を唱え、その根拠として「実際に伊賀で忍者の指導者を輩出してきた服部家は新羅系移住民である秦氏の家系として知られている」というのである。

 要するに、韓国にも忍者がいる、というよりもそもそも「忍者」のルーツが朝鮮半島だというのだ。

 これはいわゆる「ウリジナル」というやつだ。

 ご存じの方も多いと思うが、オリジナル、と「我々の」を意味する「ウリ」をかけた造語で、日本や中国の優れた文化などはすべて半島が起源だという「韓国起源説」を意味する。

 またまた、冗談でしょと思うかもしれないが、韓国の一部の方たちは大マジメに信じている。例えば、剣道、歌舞伎、寿司もすべて韓国がルーツらしい。日本のスポーツや芸能分野で世界的に活躍している人も「ほとんどが在日」だそうだ。こういう人たちに言わせると、「ニンジャ」も当然、韓国起源となる。

 このあたりの話は、先日発売された『日本の闇を支配してきた忍者の正体』(宝島社)という本の中で、書かせてもらったが、かなり支離滅裂な主張である。そもそも、「三国地誌」「永閑記」などでは「服部氏を秦氏の裔(えい:子孫)とするのは、非なり」と否定されている。

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