松井博さん
松井:お金を次の代に渡せないとなると、みんながやる気をなくさないでしょうか?
小飼:一所懸命脱税をする人がいますよね。でも、相続税を100%にしてしまえば、自分が生きている間の税率は下がるんです。税理士さんには申し訳ないけど、暗算で自分の税金が分かる。「死んだら財産は持っていけ」でいいじゃないですか。
「相続税」と言うより、「社会が相続する。世界が相続する」って言えばいいんです。それで計算すると、税収不足は解消されます。解消されるだけでなく、ほかの税率を減らせることが大きい。
では、どういうふうに社会福祉を配るのがいいのか。結局、全員一律同じ額にするのが簡単なんです。ただ、この方法の弱点の1つは、国をまたいだ節税策に脆弱(ぜいじゃく)であるということ。だから、やるなら全世界という単位でやるべきなんです。
松井:なるほど。
小飼:しかし、そうなると「仕事が中国に流出する」という人が出てきますが、雇用されないと生きていけないというのが、そもそもおかしい。ふたことめには「仕事につけ」と言うのは日本も米国も同じですがね。
松井:一方で遊んで暮らしてる人もたくさんいて、仕事をゲーム感覚でやっている人もいる。やっぱり「遊びの時代」なんだなあと思いますね。遊びなんだから楽しいゲームをしようよと。
最近「ノマドなんて成立しない」とか「カフェバーで仕事とか成立するわけがない」といった流れがありますよね。僕は成立すると思っていて、別に好きなところに住んで好きな仕事をするインフラがあるのならそれでいいと思うんですよ。
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