撮影現場では何が起きていたの？　キリン、話題のCM「カンフースター篇」：仕事をしたら“みんなの夢”をかなえることができた（4/5 ページ）

[土肥義則，Business Media 誠]

みんなの夢をかなえることに

土肥：石田さんはごく普通のサラリーマンなのですが、カンフー映画に出演するという夢をかなえるために、ありえないキャストが集まりましたね。

今村：石田さんはジャッキーさんの映画を何度も見ているので、ほとんどの動きを覚えているのではないでしょうか。学生時代には「武術部（別称：カンフー部）」をつくって、カンフー服を普段着のように着ていたそうです。今回の夢をかなえてもらうにあたって、石田さんはカンフー部の後輩・遊木さんにも出演してほしいと言っていました。というのも、学生時代に2人は「いつかは一緒にアクション映画に出よう」と語り合っていたようですね。

　また、石田さんはカンフーがきっかけで、カンフー好きの中川さんのファンにもなったそうです。中川さんもジャッキーさんとの共演は長年の夢だったので、石田さんは自分の夢だけでなく、中川さんと遊木さんの夢も一緒にかなえることができたのではないでしょうか。

土肥：ジャッキーさんは今回のCM出演にあたって、なにか話をされていましたか？

今村：最初、この企画がきたときには、驚かれたそうです。CMに出演するというよりかは、「『石田さんの夢の実現に協力できる』ということであれば、参加させていただきたい」といった返事をいただきました。

　ジャッキーさんは4月に公開された映画『ライジングドラゴン』の出演で、「体を張った本格アクションからは今作限りで引退」ということだったので、多くのファンはこのCMを見て驚かれたのではないでしょうか。

　当初はジャッキーさんのアクションシーンはない、ということだったのですが、実際には石田さんと組み手をしたり、身体を動かすシーンがありました。またラストでは敵を倒すことに。

土肥：石田さんの夢に「ラストは師匠（ジャッキーさん）に決めてほしい」がありましたよね。

今村：はい。そのシナリオはあったのですが、ジャッキーさんがどのようにして敵を倒せばいいのか。打ち合わせをした結果、棒を使って敵を投げ飛ばす、という形になりました。